愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「よかった……! 本当に、よかった! 今まで一体どこにいたんだ?」
改めて、クラルテの顔を覗き込む。煤で汚れた頬を拭ってやると、クラルテはえへへと苦笑を漏らした。
「心配かけてごめんなさい。実は、旦那様と別れたあと、親御さんとはぐれてしまったお子さんを見つけたんです。棚の下敷きになっていたので、そちらを先に退かすなどして、なんとか二度目の爆発の寸前になんとか地上に転移したのですが、今度は親御さんが中々見つけられなくて。ようやく見つけて傷の手当をし、今に至る、という状況なのです」
口調は明るく、必死に取り繕ってはいるが、クラルテの声は小刻みに震えていた。
怖かったのだろう。不安だったのだろう。俺はもう一度、彼女を強く抱きしめ直した。
「怪我は? どこか痛むところは?」
「ございません! 見ての通り、ピンピンしてますよ! ああ、だけど! ……待って! やだやだ、どうしよう……」
「なんだ!? 一体どうしたんだ!?」
突如取り乱すクラルテを、俺は思わず凝視する。クラルテは涙目になりながら、首を大きく横に降った。
改めて、クラルテの顔を覗き込む。煤で汚れた頬を拭ってやると、クラルテはえへへと苦笑を漏らした。
「心配かけてごめんなさい。実は、旦那様と別れたあと、親御さんとはぐれてしまったお子さんを見つけたんです。棚の下敷きになっていたので、そちらを先に退かすなどして、なんとか二度目の爆発の寸前になんとか地上に転移したのですが、今度は親御さんが中々見つけられなくて。ようやく見つけて傷の手当をし、今に至る、という状況なのです」
口調は明るく、必死に取り繕ってはいるが、クラルテの声は小刻みに震えていた。
怖かったのだろう。不安だったのだろう。俺はもう一度、彼女を強く抱きしめ直した。
「怪我は? どこか痛むところは?」
「ございません! 見ての通り、ピンピンしてますよ! ああ、だけど! ……待って! やだやだ、どうしよう……」
「なんだ!? 一体どうしたんだ!?」
突如取り乱すクラルテを、俺は思わず凝視する。クラルテは涙目になりながら、首を大きく横に降った。