愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「報せをもらったときはびっくりしたよ。まさか、おまえが夜会に出てくるなんて思わなかったからね。僕たちが何度誘っても仕事が関連しないと出席しなかったし」
こちらは二番目のお兄様、エッシュ様です。王宮で文官をしていらっしゃいます。性格も顔も、あんまりハルト様には似ていらっしゃいません。柔和な雰囲気……少しだけプレヤさんに似ています。
「それで――――君がクラルテだね」
ああ、もう少し兄弟の会話が続くと思っていたのに! さっそく話題を振られてしまいました! おそるおそる顔を上げ、わたくしは必死に微笑みます。
「お、お初にお目にかかります。クラルテでございます……」
どうか、わたくしのことは忘れていてほしい。心臓をバクバク鳴らしつつ、わたくしはお二人の顔をそっと見上げます。
こちらは二番目のお兄様、エッシュ様です。王宮で文官をしていらっしゃいます。性格も顔も、あんまりハルト様には似ていらっしゃいません。柔和な雰囲気……少しだけプレヤさんに似ています。
「それで――――君がクラルテだね」
ああ、もう少し兄弟の会話が続くと思っていたのに! さっそく話題を振られてしまいました! おそるおそる顔を上げ、わたくしは必死に微笑みます。
「お、お初にお目にかかります。クラルテでございます……」
どうか、わたくしのことは忘れていてほしい。心臓をバクバク鳴らしつつ、わたくしはお二人の顔をそっと見上げます。