愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「クラルテさんはね、僕たちのところに自己紹介に来てくれたんだよ。あと、宣誓?」
エッシュ様が言います。わたくしはハルト様の背中に顔を埋めました。
「『いつかハルト様のお嫁さんになるクラルテと申します! わたくしは将来、絶対、あなたがたの義妹になります! 絶対なります! ですから、また会いに行くその日まで、どうかわたくしのことを覚えていてください!』……だったっけか。いや、ハルトにはもったいないなんとも可愛らしいお嬢様だなぁと思ったよ」
あぁあぁあああ!
もうダメです。わたくしのライフは完全にゼロ。今すぐここから逃げ出したい気分です!
「クラルテがそんなことを……」
「驚いたけど、俺たちはとても嬉しかったよ。ハルトは頑固で融通が利かない男だから、そんなふうに言ってくれる女の子がいるってわかって、なんだか救われた気分だった」
「そうそう。だから、ハルトが婚約するって話を聞いて、お相手の君の名前を見て、僕たちはとても喜んだんだ。あのときの誓いが実現したんだ! ってね。だから……再会できて嬉しいよ、クラルテさん」
ハルト様のお兄様がわたくしを見つめていらっしゃるのを感じます。温かくて優しい眼差しです。そっと顔を上げて、二人の顔を確認したら、ニコリと微笑んでくださいました。
エッシュ様が言います。わたくしはハルト様の背中に顔を埋めました。
「『いつかハルト様のお嫁さんになるクラルテと申します! わたくしは将来、絶対、あなたがたの義妹になります! 絶対なります! ですから、また会いに行くその日まで、どうかわたくしのことを覚えていてください!』……だったっけか。いや、ハルトにはもったいないなんとも可愛らしいお嬢様だなぁと思ったよ」
あぁあぁあああ!
もうダメです。わたくしのライフは完全にゼロ。今すぐここから逃げ出したい気分です!
「クラルテがそんなことを……」
「驚いたけど、俺たちはとても嬉しかったよ。ハルトは頑固で融通が利かない男だから、そんなふうに言ってくれる女の子がいるってわかって、なんだか救われた気分だった」
「そうそう。だから、ハルトが婚約するって話を聞いて、お相手の君の名前を見て、僕たちはとても喜んだんだ。あのときの誓いが実現したんだ! ってね。だから……再会できて嬉しいよ、クラルテさん」
ハルト様のお兄様がわたくしを見つめていらっしゃるのを感じます。温かくて優しい眼差しです。そっと顔を上げて、二人の顔を確認したら、ニコリと微笑んでくださいました。