愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「だけど、わたくしは少しだけ残念です」
「え? ……なにがだ?」
先程とは違った意味でドキドキしながら尋ねると、クラルテはえへへと首を傾げる。
「本当はわたくしのほうが先に起きて、思う存分ハルト様の寝顔を観察させていただこうと思ってたんです。だって、ハルト様の寝顔ってとっても可愛くて、わたくし大好きなんですもの」
俺の頬を突きながら、クラルテはふにゃっと笑った。
(ダメだ。完全に翻弄されている)
可愛い。可愛い。可愛すぎる!
こんなにドキドキさせられて、俺ばかり好きになって、あまりにも悔しい――――が、クラルテに勝つすべが俺にはわからない。これが惚れた弱みというものなのだろうか?
「だったら、明日も競争する?」
せめてこのぐらいは勝たせてもらわなければ……そう思って尋ねたら、クラルテは頬を真っ赤に染め、両手で顔を覆い隠した。
「〜〜〜〜わたくし、ハルト様には勝てる気がしません」
思わぬ返事。目を丸くしつつ、俺はふっと笑ってしまう。
「だったら次も俺が勝たせてもらう」
――本当はもうずっと、クラルテに負けっぱなしだけれど。俺たちは顔を見合わせつつ、声を上げて笑った。
「え? ……なにがだ?」
先程とは違った意味でドキドキしながら尋ねると、クラルテはえへへと首を傾げる。
「本当はわたくしのほうが先に起きて、思う存分ハルト様の寝顔を観察させていただこうと思ってたんです。だって、ハルト様の寝顔ってとっても可愛くて、わたくし大好きなんですもの」
俺の頬を突きながら、クラルテはふにゃっと笑った。
(ダメだ。完全に翻弄されている)
可愛い。可愛い。可愛すぎる!
こんなにドキドキさせられて、俺ばかり好きになって、あまりにも悔しい――――が、クラルテに勝つすべが俺にはわからない。これが惚れた弱みというものなのだろうか?
「だったら、明日も競争する?」
せめてこのぐらいは勝たせてもらわなければ……そう思って尋ねたら、クラルテは頬を真っ赤に染め、両手で顔を覆い隠した。
「〜〜〜〜わたくし、ハルト様には勝てる気がしません」
思わぬ返事。目を丸くしつつ、俺はふっと笑ってしまう。
「だったら次も俺が勝たせてもらう」
――本当はもうずっと、クラルテに負けっぱなしだけれど。俺たちは顔を見合わせつつ、声を上げて笑った。