愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「僕って案外警戒心が強いからさ、お前と一緒でそういうお誘いは避けるんだよ。でも、あいつは結構単純そうだし」
「あいつ?」
俺の問いかけにこたえないまま、プレヤさんはくるりと踵を返した。
「それじゃあハルト、明日はゆっくり家で休んでてよ」
「は? なんですか、いきなり」
言われなくても明日は非番だし、家でゆっくり休むつもりだったのだが。
「もうちょっとしたらクラルテも早く帰ってこれるようになるからさ」
「いや、だからどうして……」
プレヤさんは俺の疑問にこたえる気がないらしい。そそくさと俺をおいて仕事に戻ってしまった。
***
(怪しい)
絶対に。今日、俺のいない魔術師団でなにかがあるに違いない。
そのうえで天邪鬼なプレヤさんは、事情をなにも知らない俺を焚き付けて遊んでいるんだ。あの人の『明日はゆっくり家で休んでてよ』は『明日は忙しい一日になるから、しっかり暴れてくれ』に違いない。
「あいつ?」
俺の問いかけにこたえないまま、プレヤさんはくるりと踵を返した。
「それじゃあハルト、明日はゆっくり家で休んでてよ」
「は? なんですか、いきなり」
言われなくても明日は非番だし、家でゆっくり休むつもりだったのだが。
「もうちょっとしたらクラルテも早く帰ってこれるようになるからさ」
「いや、だからどうして……」
プレヤさんは俺の疑問にこたえる気がないらしい。そそくさと俺をおいて仕事に戻ってしまった。
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(怪しい)
絶対に。今日、俺のいない魔術師団でなにかがあるに違いない。
そのうえで天邪鬼なプレヤさんは、事情をなにも知らない俺を焚き付けて遊んでいるんだ。あの人の『明日はゆっくり家で休んでてよ』は『明日は忙しい一日になるから、しっかり暴れてくれ』に違いない。