愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「平民のお家も貴族とは比べ物にならないぐらいたくさん被害にあってますが、そちらのほうはほとんどがボヤで、大きな被害に発展していません。ただ、共通していることが一つ。いずれも火災保険に加入をしていないご家庭、ってことなんです。これだけ火事が増えれば、誰だって不安になります。補償を求めて保険に加入したくなるのは当然です。すると、保険の契約数は爆発的に増えます。けれど、火事を起こしているのは他でもないあなたですから、保険に入っていないご家庭を狙えば保険金を払う必要はありません。家事を起こせば起こすほど、収入だけが効率よく増える、という算法なんです。つまりは詐欺の一種ですよね」
そこまで言うと、ザマスコッチ子爵はハハハと笑い声を上げました。彼は瞳をギラつかせつつ、わたくしににじり寄ってきます。
「……なるほど。そこまで調べていたとはね」
おっ、潔い。もう認めてくれました! 思っていたよりずっと早いです。もっと色々言ってやろうと情報を準備していたんですが、いい感じに手間が省けました。
そこまで言うと、ザマスコッチ子爵はハハハと笑い声を上げました。彼は瞳をギラつかせつつ、わたくしににじり寄ってきます。
「……なるほど。そこまで調べていたとはね」
おっ、潔い。もう認めてくれました! 思っていたよりずっと早いです。もっと色々言ってやろうと情報を準備していたんですが、いい感じに手間が省けました。