愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「ええ。愛するハルト様のためですから。彼を多忙にし、わたくしと過ごす時間を奪った不届き者を許すわけにはいきませんもの。先ほどの内容はちゃんと資料にまとめまして、いつでもしたるべきところに提出可能な状態にしております」
「したるべきところ、ねえ。だけど、クラルテさんが言っていることはあくまで憶測。私がしたという証拠はなにもない」
「……そうですねぇ」
「おまけに、あなたはここで死んでしまうのですから、これでもう、私の謀を知っている人間は誰もいなくなります」
その瞬間、倉庫の中に複数の火の手が上がりました。そして、わたくしとザマスコッチ子爵の間にはひときわ大きな炎が。出口はザマスコッチ子爵の後方にあります。わたくしの退路を断ったつもりみたいです。まあ、想定の範囲内ではありますけども。
「残念だな……クラルテさんとはいいおつきあいができそうだと思っていたのに。あんなに熱心に手紙をくれて、こんなに期待をさせといて、君は酷い女性だな」
下ひた笑み。嫌悪感がすごいです。
この方、本気でわたくしとどうこうなる気だったんですね……心外です。とってもとっても心外です。わたくしはハルト様一筋なのに。誤解されたままなんて絶対に嫌なので、しっかりと真実を申し上げなくてはなりません。
「したるべきところ、ねえ。だけど、クラルテさんが言っていることはあくまで憶測。私がしたという証拠はなにもない」
「……そうですねぇ」
「おまけに、あなたはここで死んでしまうのですから、これでもう、私の謀を知っている人間は誰もいなくなります」
その瞬間、倉庫の中に複数の火の手が上がりました。そして、わたくしとザマスコッチ子爵の間にはひときわ大きな炎が。出口はザマスコッチ子爵の後方にあります。わたくしの退路を断ったつもりみたいです。まあ、想定の範囲内ではありますけども。
「残念だな……クラルテさんとはいいおつきあいができそうだと思っていたのに。あんなに熱心に手紙をくれて、こんなに期待をさせといて、君は酷い女性だな」
下ひた笑み。嫌悪感がすごいです。
この方、本気でわたくしとどうこうなる気だったんですね……心外です。とってもとっても心外です。わたくしはハルト様一筋なのに。誤解されたままなんて絶対に嫌なので、しっかりと真実を申し上げなくてはなりません。