愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
40.あたしたち、もう無理なの?
(まったく、とんでもない休日になってしまった)
休日とは名ばかりで、実情は仕事に限りなく近い。
とはいえ、これが勤務割振日だったら、こうしてクラルテのために動けなかっただろう。だから、プレヤさんには(一応)感謝しなければならない。いや、人の婚約者を囮に使うな、とは思うけれども……。
「ハルト!」
けれど、クラルテたちとともに魔術師団に戻って数刻、一人の女性が俺のことを尋ねてきて、そんな気持ちはどこかに吹っ飛んでしまった。
ブロンド髪の派手な女性――元婚約者であるロザリンデだ。
「なんの用だ?」
「助けて……ねえ助けてよ、ハルト! セオドアが――夫が放火で捕まったって連絡が来て」
「ああ」
そういえば、ロザリンデの夫はザマスコッチだった。彼が捕まった以上、妻である彼女のもとに連絡が来るのは当然だろう。
まあ、俺としてはザマスコッチがクラルテにちょっかいをかけてきたことのほうが重要、重大で、ロザリンデの存在すら忘れていたのだが。
休日とは名ばかりで、実情は仕事に限りなく近い。
とはいえ、これが勤務割振日だったら、こうしてクラルテのために動けなかっただろう。だから、プレヤさんには(一応)感謝しなければならない。いや、人の婚約者を囮に使うな、とは思うけれども……。
「ハルト!」
けれど、クラルテたちとともに魔術師団に戻って数刻、一人の女性が俺のことを尋ねてきて、そんな気持ちはどこかに吹っ飛んでしまった。
ブロンド髪の派手な女性――元婚約者であるロザリンデだ。
「なんの用だ?」
「助けて……ねえ助けてよ、ハルト! セオドアが――夫が放火で捕まったって連絡が来て」
「ああ」
そういえば、ロザリンデの夫はザマスコッチだった。彼が捕まった以上、妻である彼女のもとに連絡が来るのは当然だろう。
まあ、俺としてはザマスコッチがクラルテにちょっかいをかけてきたことのほうが重要、重大で、ロザリンデの存在すら忘れていたのだが。