愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「な……またあなたなの!?」
「そうですよ! ハルト様の現婚約者であるクラルテです」
現婚約者の部分を強調して、クラルテがグッと胸を張る。ロザリンデは眉間にしわを寄せつつ、クラルテと俺とを交互に見た。
「わたくし、この間申し上げましたよね? 金輪際、ハルト様に近づかないでくださいって! ハルト様はわたくしの旦那様なんです! わたくしだけの大事な人なんです! ちょっかいかけないでください! 大体、自ら婚約を破棄したくせに、こんなときにハルト様を頼ろうだなんてありえません! おこがましいです!」
クラルテは俺を抱きしめつつ、ロザリンデのことをにらみつける。
(クラルテは本当に負けず嫌いだなぁ……)
ロザリンデとの勝負は完全についているのに。……というか、勝負にすらなっていない。俺は思わず苦笑した。
「だって……! だってだって、ハルト以外に頼れる人なんていないんですもの!」
「だからなんだ? 頼られたところで俺はお前のことなど知らないぞ」
「な……!」
ロザリンデが口をあんぐり開ける。俺は大きくため息をついた。
「そうですよ! ハルト様の現婚約者であるクラルテです」
現婚約者の部分を強調して、クラルテがグッと胸を張る。ロザリンデは眉間にしわを寄せつつ、クラルテと俺とを交互に見た。
「わたくし、この間申し上げましたよね? 金輪際、ハルト様に近づかないでくださいって! ハルト様はわたくしの旦那様なんです! わたくしだけの大事な人なんです! ちょっかいかけないでください! 大体、自ら婚約を破棄したくせに、こんなときにハルト様を頼ろうだなんてありえません! おこがましいです!」
クラルテは俺を抱きしめつつ、ロザリンデのことをにらみつける。
(クラルテは本当に負けず嫌いだなぁ……)
ロザリンデとの勝負は完全についているのに。……というか、勝負にすらなっていない。俺は思わず苦笑した。
「だって……! だってだって、ハルト以外に頼れる人なんていないんですもの!」
「だからなんだ? 頼られたところで俺はお前のことなど知らないぞ」
「な……!」
ロザリンデが口をあんぐり開ける。俺は大きくため息をついた。