愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「いい子だろう? 今どき珍しく擦れていないというか、令嬢らしくなくて」
「たしかに令嬢らしくはないですが、その分強烈すぎやしませんか? それに、令嬢らしくないって褒め言葉なんですかね?」
「褒め言葉だろう? 逞しいのはいいことだ。あの子ならどこででも生きていけそうだし」
「……わかったようなことを」
俺のほうがクラルテを知っているはずなのに――思わずムッとした俺を見て、プレヤさんがゲラゲラ笑う。
「なんだよ、もう嫉妬か?」
「なっ……違いますよ」
なんて、必死に否定してみたものの、頬がカッと熱くなった。
「うんうん、いい傾向だ。お前は融通が効かなさすぎるし、人間としての遊びの部分が絶望的に足りなかったからな。そのままクラルテにパクっと食べられてしまえ」
「またあなたは……他人事だと思って…………」
「ん? 他人事じゃなくしたほうがいいか? 俺もあの子となら結婚してもいいと思ってるぞ?」
「――は?」
「たしかに令嬢らしくはないですが、その分強烈すぎやしませんか? それに、令嬢らしくないって褒め言葉なんですかね?」
「褒め言葉だろう? 逞しいのはいいことだ。あの子ならどこででも生きていけそうだし」
「……わかったようなことを」
俺のほうがクラルテを知っているはずなのに――思わずムッとした俺を見て、プレヤさんがゲラゲラ笑う。
「なんだよ、もう嫉妬か?」
「なっ……違いますよ」
なんて、必死に否定してみたものの、頬がカッと熱くなった。
「うんうん、いい傾向だ。お前は融通が効かなさすぎるし、人間としての遊びの部分が絶望的に足りなかったからな。そのままクラルテにパクっと食べられてしまえ」
「またあなたは……他人事だと思って…………」
「ん? 他人事じゃなくしたほうがいいか? 俺もあの子となら結婚してもいいと思ってるぞ?」
「――は?」