愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「積んできたわけです、って……一体いつからこんなことを?」
そういえば、転移魔法が得意だと教えてくれたとき『必要にかられて練習した』なんてことを言っていたっけ……。
「かれこれ七年前のことです! つまり、旦那様に出会ってすぐの頃から、わたくしはこうすることを決めていたわけですねぇ!」
クラルテは自慢げに微笑みながら、俺の顔をまっすぐに見つめた。
(まずい……)
これはまずい。思わず視線をそらした瞬間、顔が燃えるように熱くなった。
(さすがに一途がすぎるだろう……)
たった一度会っただけの男のために、どうしてそこまでできる? 思い込める? 俺がとんでもない性格の男だったらどうする気だったんだ? というか、出会った頃には俺にはロザリンデという婚約者がいたわけで。それなのにクラルテは……。
そういえば、転移魔法が得意だと教えてくれたとき『必要にかられて練習した』なんてことを言っていたっけ……。
「かれこれ七年前のことです! つまり、旦那様に出会ってすぐの頃から、わたくしはこうすることを決めていたわけですねぇ!」
クラルテは自慢げに微笑みながら、俺の顔をまっすぐに見つめた。
(まずい……)
これはまずい。思わず視線をそらした瞬間、顔が燃えるように熱くなった。
(さすがに一途がすぎるだろう……)
たった一度会っただけの男のために、どうしてそこまでできる? 思い込める? 俺がとんでもない性格の男だったらどうする気だったんだ? というか、出会った頃には俺にはロザリンデという婚約者がいたわけで。それなのにクラルテは……。