愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
(本当に、俺にはもったいないぐらいいい子だよな……)
一体クラルテは、こんな男のどこがいいのだろう? いや――すでに何度も尋ねてしまったものの、どうしても理解できない。
(このまま突き進んで――いや、押し通されてよいのだろうか?)
葛藤はある。彼女にはもっといい道があるんじゃないか――俺が導いてやるべきなのではないか、と。
だが、クラルテは頑固だ。現状、納得してくれそうな気はしない。
「……お互い仕事をしているんだ。使用人が来るまでの間、せめて家事は折半にしよう」
俺からクラルテに返せるものなんてほとんど思いつかない。……どうしたら喜んでもらえるのかもよくわからない。
けれど、自分に思いつく限りのことをしてやりたいとそう思う。
「え〜〜? 旦那様に家事を分担をさせるなんてダメですよ! ほら! わたくしは旦那様みたいに日々体を鍛えるわけじゃなくていわば裏方。普段はデスクワークが主ですし、毎日家にも帰れますし! さほど疲れないと思うのですよ。それに、わたくしは旦那様に尽くせることが幸せなので、まったく負担に思わないというか、むしろ嬉しいわけでして……」
一体クラルテは、こんな男のどこがいいのだろう? いや――すでに何度も尋ねてしまったものの、どうしても理解できない。
(このまま突き進んで――いや、押し通されてよいのだろうか?)
葛藤はある。彼女にはもっといい道があるんじゃないか――俺が導いてやるべきなのではないか、と。
だが、クラルテは頑固だ。現状、納得してくれそうな気はしない。
「……お互い仕事をしているんだ。使用人が来るまでの間、せめて家事は折半にしよう」
俺からクラルテに返せるものなんてほとんど思いつかない。……どうしたら喜んでもらえるのかもよくわからない。
けれど、自分に思いつく限りのことをしてやりたいとそう思う。
「え〜〜? 旦那様に家事を分担をさせるなんてダメですよ! ほら! わたくしは旦那様みたいに日々体を鍛えるわけじゃなくていわば裏方。普段はデスクワークが主ですし、毎日家にも帰れますし! さほど疲れないと思うのですよ。それに、わたくしは旦那様に尽くせることが幸せなので、まったく負担に思わないというか、むしろ嬉しいわけでして……」