愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「そういえば、遅くなってしまったのだが……週末から使用人が来てくれることが決まったよ」
「本当ですか! それは……ちょっぴり残念です」
「残念?」
「はい。旦那様と二人きりの生活、大好きだったんですけど……」
本当に。冗談なんかじゃなく本気で。わたくしは旦那様とのこの生活を気に入っておりました。
ただ、旦那様が仰ることもちゃんと理解していて。貴族という身分柄、世間体というものは大事です。わたくしが家事をしているということは、わたくしというより、旦那様の名誉に関わることですから。きちんと受け入れなければならないと理解しています。
(でもなぁ……)
さっきみたいにキッチンで甘い時間を過ごすことはなくなってしまうし、旦那様の胃袋をつかめる機会も格段に落ちてしまいます。
おそらく、わたくしがキッチンを使うことを許してもらえるのは、お菓子を作るときぐらいでしょう。普通、貴族の令嬢は料理を作ったりしませんからね……。
「本当ですか! それは……ちょっぴり残念です」
「残念?」
「はい。旦那様と二人きりの生活、大好きだったんですけど……」
本当に。冗談なんかじゃなく本気で。わたくしは旦那様とのこの生活を気に入っておりました。
ただ、旦那様が仰ることもちゃんと理解していて。貴族という身分柄、世間体というものは大事です。わたくしが家事をしているということは、わたくしというより、旦那様の名誉に関わることですから。きちんと受け入れなければならないと理解しています。
(でもなぁ……)
さっきみたいにキッチンで甘い時間を過ごすことはなくなってしまうし、旦那様の胃袋をつかめる機会も格段に落ちてしまいます。
おそらく、わたくしがキッチンを使うことを許してもらえるのは、お菓子を作るときぐらいでしょう。普通、貴族の令嬢は料理を作ったりしませんからね……。