愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「クラルテ……あまりいじめないでくれ」
旦那様が切なげな表情で囁いてきます。
ああ、またです。ドキッと胸が高鳴りました。こんな顔されちゃあ堪りません。なんでも言うこと聞いてあげたくなってしまいます。
「ご安心ください! ちゃんと女性の先輩ですよ〜〜! というか、わたくしの周りでわたくしにアプローチをしようなんて男性はいないと思いますけど」
「そ、そんなことは言い切れないだろう?」
旦那様はそう言って、唇を少しだけ尖らせています。
実際のところは旦那様のほうが正しいのです……新人ってだけで男性は寄ってくるものですからね。だけど、いたずらに旦那様を心配させちゃいけません。嘘も方便って言いますし。
「わたくし、色んなところで『旦那様の婚約者に内々定をいただいている』と吹聴しておりますからね。わざわざ婚約者(仮)持ちに特攻してくる男性は少ないのですよ! もちろん、正式に婚約を結んでいただくのが一番なんですけど……」
チラリと旦那様を見上げ、わたくしは大げさにため息をつきます。
旦那様が切なげな表情で囁いてきます。
ああ、またです。ドキッと胸が高鳴りました。こんな顔されちゃあ堪りません。なんでも言うこと聞いてあげたくなってしまいます。
「ご安心ください! ちゃんと女性の先輩ですよ〜〜! というか、わたくしの周りでわたくしにアプローチをしようなんて男性はいないと思いますけど」
「そ、そんなことは言い切れないだろう?」
旦那様はそう言って、唇を少しだけ尖らせています。
実際のところは旦那様のほうが正しいのです……新人ってだけで男性は寄ってくるものですからね。だけど、いたずらに旦那様を心配させちゃいけません。嘘も方便って言いますし。
「わたくし、色んなところで『旦那様の婚約者に内々定をいただいている』と吹聴しておりますからね。わざわざ婚約者(仮)持ちに特攻してくる男性は少ないのですよ! もちろん、正式に婚約を結んでいただくのが一番なんですけど……」
チラリと旦那様を見上げ、わたくしは大げさにため息をつきます。