愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
14.クラルテのお仕事②
「クラルテさんはどうして魔術師団に入ったの?」
巡回の道中、ペアの先輩が尋ねてきます。社交(というか夜会)が好きな男性で、名前をユーゴさんといいます。入団から二年目、わたくしがはじめての後輩です。
「えーーと、これはもういろんな方にお伝えしていることなんですけれども、わたくしはハルト・ディクケプフィガー様と結婚するのが夢でして、彼にお近づきになるために魔術師団への入団を目指していたんです」
「へぇ……ハルトさんに。なにがそんなによかったの?」
「え? 全部ですけど」
すかさず返事をすれば、ユーゴさんはウッと言葉に詰まったようでした。
(まったく! 人が好きだといっているものに対して『どこが?』といった表情を向けてくるなんて失礼な人ですよね!)
旦那様は公平で厳しく、強いお方です。わたくしはそんな彼を愛しています。
だけど、わたくしの先輩たちの中には、そんな旦那様に苦手意識を持っている人もいるのだといいます。特に不真面目な方はそういう傾向にあるんだとか。
巡回の道中、ペアの先輩が尋ねてきます。社交(というか夜会)が好きな男性で、名前をユーゴさんといいます。入団から二年目、わたくしがはじめての後輩です。
「えーーと、これはもういろんな方にお伝えしていることなんですけれども、わたくしはハルト・ディクケプフィガー様と結婚するのが夢でして、彼にお近づきになるために魔術師団への入団を目指していたんです」
「へぇ……ハルトさんに。なにがそんなによかったの?」
「え? 全部ですけど」
すかさず返事をすれば、ユーゴさんはウッと言葉に詰まったようでした。
(まったく! 人が好きだといっているものに対して『どこが?』といった表情を向けてくるなんて失礼な人ですよね!)
旦那様は公平で厳しく、強いお方です。わたくしはそんな彼を愛しています。
だけど、わたくしの先輩たちの中には、そんな旦那様に苦手意識を持っている人もいるのだといいます。特に不真面目な方はそういう傾向にあるんだとか。