愛する婚約者様のもとに押しかけた令嬢ですが、途中で攻守交代されるなんて聞いてません!
「だけど、婚約もまだなのにそんなことは……」
「だから、先に婚約すればいいだろう?」
なにを当然のことを。思わず呆れてしまった。
「しかし、まだ彼女に出会ってから三週間程度ですし、自分の気持ちに名前をつけられているわけでもありませんし、この程度の想いで婚約を結ぶのはクラルテに失礼な気がして……」
「じゃあ聞くけど、ロザリンデと婚約したとき、おまえは彼女のことを好きだったの?」
僕の問いかけに、ハルトは目をまん丸くし、すぐに首を横に振る。
「いいえ、まったく。というか、彼女とは完全に政略結婚で、はじめて会ったのも婚約を結んだときでしたし……」
「そうだろう? 貴族の結婚なんてそういうもんなんだよ。だから、出会ってどのぐらいしか経ってないとか、想いが云々なんてウジウジするのはナンセンスってこと。というか、お前の結婚は上官命令って言っただろう? すでに結婚前提で回答しているんだし、選択肢なんてないんだから、さっさと先に進みなよ」
「だから、先に婚約すればいいだろう?」
なにを当然のことを。思わず呆れてしまった。
「しかし、まだ彼女に出会ってから三週間程度ですし、自分の気持ちに名前をつけられているわけでもありませんし、この程度の想いで婚約を結ぶのはクラルテに失礼な気がして……」
「じゃあ聞くけど、ロザリンデと婚約したとき、おまえは彼女のことを好きだったの?」
僕の問いかけに、ハルトは目をまん丸くし、すぐに首を横に振る。
「いいえ、まったく。というか、彼女とは完全に政略結婚で、はじめて会ったのも婚約を結んだときでしたし……」
「そうだろう? 貴族の結婚なんてそういうもんなんだよ。だから、出会ってどのぐらいしか経ってないとか、想いが云々なんてウジウジするのはナンセンスってこと。というか、お前の結婚は上官命令って言っただろう? すでに結婚前提で回答しているんだし、選択肢なんてないんだから、さっさと先に進みなよ」