イケメン御曹司に求婚されてます!?〜前世の恋人は今世では私を離さない〜
〇学校の教室

夏帆「おはよー愛羽! 珍しく遅刻ギリギリだね。何かあったの?」

教室に入ると親友の夏帆が元気良く肩を叩いてきた。
茶髪のショートボブによく焼けた肌、という見た目通りスポーツが得意で力も強い。
思わずジーンとした肩を抑える愛羽。さすがソフトボールのエースだ。

愛羽(夏帆に朝のこと話すべきかな、、、でも心配かけたくないし、、、)

そんなことを考えていると学校のチャイムの音が鳴った。ホームルームの合図だ。

愛羽「あ、、ただの寝坊だよ!」

慌てて言い訳をして席に座る。愛羽の席は窓際の1番後ろだ。

頬をついて、窓の外を眺める。

愛羽(ほんとに誰だったんだろう、、、)

金髪だったあの青年を思い出す。
髪色も変わってるし、妙なことを口走っていたので正直あんまり関わりたくはない。

でも、夢に出てくる黒髪の青年とどこか重なる部分があってどうしても思い出してしまう。

愛羽(でも借金返してもらっておいてこのままさようならはさすがに最低過ぎるよね)

結婚は嫌だけどお礼はしたい。
でもあの人の名前や連絡先、その他の個人情報を何も知らないことに気づく。

愛羽(どうすればいいんだろう、、、)

頭を抱えたまま、ろくに授業も集中できず気付けば放課後になっていた。

夏帆とは違って何も部活に所属していないため帰りのホームルームが終わったあとはいつも1人で下校している。

いつもは全然平気なのに、今朝、借金取りや急に結婚を申し込んでくる不審者に会ったせいでどうにも心細かった。
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