運命
 一度目より二度目より優しい和也。
 和也が私を求める情熱を私は肌で感じていた。
 身体をゆるしてからは、毎日のようにどちらかの部屋でセックスをした。世界一愛しい人との甘い時間。

「ああっ! 和也! 和也!」
「彩美。可愛いよ」

 その頃には私は和也にはまり過ぎて、和也のことばかりが頭を支配していた。

 そうなってはいけないという警告の血の赤が点滅しても、別れるという選択肢は消えてしまっていた。

 どうしたら、どうしたら和也はずっと私だけを愛してくれる?

 私はいつの間にか男友達との交流をやめていた。そして、和也が会いたいと言えば必ず会うようになっていた。それほど余裕を失っていた。
 そんなことしたら、結局和也は目移りし出すと分かっていたのに。
 人は一度恋に落ちてしまうとこんなにももろい。なのに想いは何より強い。理性が吹っ飛んでしまうほどに。

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