運命
紅い紅い色。フラッシュバックする。手には包丁。
ダメ。それはイヤ! もう和也を殺すのはイヤ!
私は。
今度こそ別れることを決意した。
私の世界は終わるかもしれない。でも、和也を殺してしまう未来よりかは、まだマシだ。
「和也。私の他に付き合ってる人がいるよね?」
久しぶりのデートの別れ際、私はきりだした。
「彩美、何言ってるの?」
和也は笑って返してくる。なんで笑えるのか私には分からない。
「私、二股されてるの、知ってるよ? ……そういうの、私は無理。別れてくれる?」
和也はしらを切り続けた。
「何言ってるの? 俺には彩美しかいないよ? 別れるなんてどうして言うの? もう俺のこと好きじゃなくなった?」
和也は自分のしてることを悪いと思っていないのだろうと思う。だから、こんなにも表情が変わらないのだ。平然としていられるのだ。
「好きじゃなくなったわけじゃない。だったら。……浮気してないと本当に言えるなら、スマホ見せて?」
「え?」
このときやっと和也は動揺を見せた。
「なんで? なんでそんなに俺を疑うの? 俺を信じてないの?」
「何もやましいことがないなら、見せられるでしょう?」
私は引き下がらなかった。
和也は黙った。
ダメ。それはイヤ! もう和也を殺すのはイヤ!
私は。
今度こそ別れることを決意した。
私の世界は終わるかもしれない。でも、和也を殺してしまう未来よりかは、まだマシだ。
「和也。私の他に付き合ってる人がいるよね?」
久しぶりのデートの別れ際、私はきりだした。
「彩美、何言ってるの?」
和也は笑って返してくる。なんで笑えるのか私には分からない。
「私、二股されてるの、知ってるよ? ……そういうの、私は無理。別れてくれる?」
和也はしらを切り続けた。
「何言ってるの? 俺には彩美しかいないよ? 別れるなんてどうして言うの? もう俺のこと好きじゃなくなった?」
和也は自分のしてることを悪いと思っていないのだろうと思う。だから、こんなにも表情が変わらないのだ。平然としていられるのだ。
「好きじゃなくなったわけじゃない。だったら。……浮気してないと本当に言えるなら、スマホ見せて?」
「え?」
このときやっと和也は動揺を見せた。
「なんで? なんでそんなに俺を疑うの? 俺を信じてないの?」
「何もやましいことがないなら、見せられるでしょう?」
私は引き下がらなかった。
和也は黙った。