運命
8
「彩美! 明日の合コンさあ」
鈴菜の声に私は振り返った。
「合コン? ああ、そういえば言ってたね。ごめん! 私、実はカレシできたんだよね」
私は申し訳なく思いながら鈴菜に謝った。
「ええ?! 聞いてないけど?」
「ごめん。実は昨日ね」
私が鈴菜に話し始めたとき、隣を通り過ぎた男子が、
「和也!」
と大声で呼ぶのが聞こえた。
和也?
その名を聞いた時、私の心がかすかにざわついた。和也。なんだか知っているような……。
「彩美? 昨日、何よ?」
鈴菜の声に私は我に返った。
「ごめんごめん。昨日ね、サークルの先輩に帰り、告白されて」
「嘘っ!」
「それで、私もいいなと思っていた先輩だったから、付き合うことになったの」
「え〜! よかったじゃん! でも合コンどうしよう」
鈴菜の困った顔を見て、私は、
「あ、後輩にいるよ? 合コン行ってみたいって言ってた子。LINEしとくね」
と言って、スマホを取り出す。
「何時からだったっけ?」
「18時。学生通りのあおい亭ね。ちなみにその子、可愛いの?」
鈴菜は探るような目で私を見てきた。
「可愛いよ。なんていうか、純真な感じ?」
「え〜、負けらんない!」
「頑張って! じゃあ、私、彼と約束があるから」
「いいなあ〜! じゃあ、明日ね!」
鈴菜は合コンで彼氏ができるから大丈夫だよ。
ふと思って、なんで自分はそんなことが分かるのだろう? と自分を怪しんだ。
ま、いいや。
バス停で待っている白井先輩の背中が見えた。
私は自然と駆け足になった。
了
鈴菜の声に私は振り返った。
「合コン? ああ、そういえば言ってたね。ごめん! 私、実はカレシできたんだよね」
私は申し訳なく思いながら鈴菜に謝った。
「ええ?! 聞いてないけど?」
「ごめん。実は昨日ね」
私が鈴菜に話し始めたとき、隣を通り過ぎた男子が、
「和也!」
と大声で呼ぶのが聞こえた。
和也?
その名を聞いた時、私の心がかすかにざわついた。和也。なんだか知っているような……。
「彩美? 昨日、何よ?」
鈴菜の声に私は我に返った。
「ごめんごめん。昨日ね、サークルの先輩に帰り、告白されて」
「嘘っ!」
「それで、私もいいなと思っていた先輩だったから、付き合うことになったの」
「え〜! よかったじゃん! でも合コンどうしよう」
鈴菜の困った顔を見て、私は、
「あ、後輩にいるよ? 合コン行ってみたいって言ってた子。LINEしとくね」
と言って、スマホを取り出す。
「何時からだったっけ?」
「18時。学生通りのあおい亭ね。ちなみにその子、可愛いの?」
鈴菜は探るような目で私を見てきた。
「可愛いよ。なんていうか、純真な感じ?」
「え〜、負けらんない!」
「頑張って! じゃあ、私、彼と約束があるから」
「いいなあ〜! じゃあ、明日ね!」
鈴菜は合コンで彼氏ができるから大丈夫だよ。
ふと思って、なんで自分はそんなことが分かるのだろう? と自分を怪しんだ。
ま、いいや。
バス停で待っている白井先輩の背中が見えた。
私は自然と駆け足になった。
了