【短編】メルティングギフト
ウェルカムバック
10月を目前に控えた9月下旬の金曜日。
帰りのホームルームが終わり、放課後を告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
「光葉っ」
教科書をスクールバッグに詰め込んでいると、友人の璃愛に後ろからポンポンと肩を叩かれた。
「今から図書室で勉強会するんだけど、光葉も来る? 聖奈ちゃんが英語教えてくれるんだって」
手をグッドマークの形にして、親指で自身の斜め後ろを指差す璃愛。
そこには、聖奈ちゃんと参加するメンバーらしきクラスメイトが数人。
掃除の時間に何気なく相談したら、トントン拍子で話が進み、急遽決まったのだそう。
クラス委員を務める彼女は成績優秀で、英語のテストでは毎回90点台を取っている。
英語が苦手な私にとって、ここはぜひとも教えてもらいたいところ。
だけど……。
「ごめん。今日は、先約が、あるから……」
途切れ途切れで断りながら、チラッと一瞬、廊下に目を向ける。
帰りのホームルームが終わり、放課後を告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
「光葉っ」
教科書をスクールバッグに詰め込んでいると、友人の璃愛に後ろからポンポンと肩を叩かれた。
「今から図書室で勉強会するんだけど、光葉も来る? 聖奈ちゃんが英語教えてくれるんだって」
手をグッドマークの形にして、親指で自身の斜め後ろを指差す璃愛。
そこには、聖奈ちゃんと参加するメンバーらしきクラスメイトが数人。
掃除の時間に何気なく相談したら、トントン拍子で話が進み、急遽決まったのだそう。
クラス委員を務める彼女は成績優秀で、英語のテストでは毎回90点台を取っている。
英語が苦手な私にとって、ここはぜひとも教えてもらいたいところ。
だけど……。
「ごめん。今日は、先約が、あるから……」
途切れ途切れで断りながら、チラッと一瞬、廊下に目を向ける。