【短編】メルティングギフト
長々と述べると、璃愛はデザートのぶどうを一粒口に運んだ。


最後のやつは少し脅してる感があるから言いづらいけど……一理ある。

金土日の3日間、勉強の合間にプレゼントの記事を読み漁っていたら、夢中になりすぎて10分のつもりが30分も休憩していて。

今日も、午前の授業全部、半分上の空だった。


受験日は刻一刻と近づいてきている。

この状態が長引けば長引くほど危険度は上昇。

受かるものも受からなくなってしまう……なんてことも、最悪の場合ありうる。


それでも……。



『ふふふっ、任せといて!』



あんな自信満々に言っておいて、そんなすぐプライドを捨てるだなんて……。



「ぐぅぅぅ、いやだぁぁぁ」

「ふはっ、だろうなと思った」



そう笑ってぶどうの種をティッシュに出した。

中学時代からの仲というのもあってか、最初からお見通しだったようだ。
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