【短編】メルティングギフト
「なるほど。上の弟さんって高校生なんだよね? どんなのが好きなの?」

「昔から部屋の模様替え。毎月イベントに合わせた飾りつけしてて、こないだジャックオーランタンの置物買ってきてた」

「わぁ、オシャレ〜。他の兄弟は?」

「お兄ちゃんはガーデニングで、下の弟はアクセサリー。今思うと、お母さん達大変だっただろうなぁ」



苦笑いを浮かべて、「全部叶えてくれてありがとうって言わなきゃね」と付け足した。


4人兄弟の中で唯一の女子の璃愛は、1人のお兄さんと2人の弟さんに挟まれて育った。

顔は似てるみたいなんだけど、本人いわく、性格と好みはバラバラ。

誕生日も全シーズンにバラけているため、ご両親は新しい季節が来るごとにプレゼント用の資金を貯めていたらしい。



「1番高かったのは下の弟のスマホで、1番安かったのは私のマニキュアセットね」

「いくらだったの?」

「15万円と1500円」

「じゅ、15万⁉ スマホが⁉ 高っっ!」

「でしょう? これでもマシなほうよ。最初は20万近いやつねだってたから。まったく、中学生の分際で背伸びしすぎだっての」
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