【短編】メルティングギフト
自分で考えた台詞なのに恥ずかしくなってきた。


真の目的は、久代くんの欲しい物を探るため。

だけど、あまりにも下心丸出しだから、納得できそうな理由でカモフラージュした。


なのに……これじゃまるで、自分は根性なしの寂しがり屋ですって自己紹介してるようなものじゃないかぁぁぁ。

なにが、『頼れる先輩でいたかっただけだもん』だよ!
頼るどころか反面教師にされるって!



『なんだ、良かった。神妙そうな顔してたから、進路関係で何かあったのかと思いましたよ』

『本当ごめんね! そっちは問題ないから! 順調だから安心して!』



偽りの理由(といっても寂しい気持ちも少しあるから全部嘘ではないけど)を伝えたら、強張っていた彼の顔がふっと緩んだ。


振り回して、不安にさせちゃって、本当に申し訳ない。……けど、密かに気にかけてくれてたのはちょっと嬉しい。


不謹慎ながらも幸せを感じたところで本題へ移る。



『それでね、久代くんさえ良ければ、一緒にお昼ご飯食べない? 放課後は難しいけど、昼休みは比較的空いてるから』
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