【短編】メルティングギフト
むむぅ、これでも毎年盆正月は残菜処理係として大活躍してるのにぃ。

まぁ、いとことは長年タメ語だし、妹のほうがしっかり者だから、お姉ちゃん味がないのは薄々感じてはいたけどさ。



「そういう久代くんは?」

「姉がいます。4つ上と2つ上の大学生コンビです」



予想外の構成に再びゆで卵を落とした。

末っ子⁉ 弟か妹がいると思ってた……!



「弟だったんだ。意外。2人もいるならめちゃくちゃ可愛がられたんだろうなぁ」

「よく言われます。でも実際は喧嘩に巻き込まれたりパシられたりで酷いですよ」

「パシリ⁉ 何か買ってこいとか?」

「それもあります。こないだはメイク落としを買うためだけに連れ回されました。夜道が心細いのはわかるけど、なんで今から風呂入ろうとしてる時に頼むんだよって。無茶ぶりにも程があるだろ」



少々乱暴に吐き捨てると、やけ食いするように白ご飯を口に詰め込んだ。


お兄ちゃんお姉ちゃん、特に長男長女は我慢ばかりで損しがち。反対に末っ子は自由奔放でわがまま気質。

そう思っていたけれど、偏見だったみたい。
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