【短編】メルティングギフト
「え? ウェイ? どこ?」

「第1問の1番です。空欄の数からすると、多分そこは動詞になると……」



頭上にハテナマークを浮かべる私に、久代くんが解説しながら右隣にやってきた。



「この文は『私は〜』なので、動詞のweighを入れます。weightの場合はIをMyに変えて……」



例文を私のプリントに書き込む久代くん。

解説が丁寧かつ、字も綺麗でとてもわかりやすい。

でもそれ以上に綺麗なのは……。



「2番は『彼女の〜』なのでweightが当てはまります。1番の文のようにすると、『She weighs 50 kilograms.』ですね」

「なるほど……」



真剣な目つき、すっきりした横顔。そして、細めの黒縁眼鏡……!

付き合う前から何度も見てるけど、今は肩が触れそうなくらい近距離だからドキドキが止まらない。


久代くんいわく、眼鏡をかけるのは勉強や読書をする時だけ。

同じクラスの子が羨ましい。隣の席の子は特に。

私も久代くんと同い年で生まれてたら、毎日の授業も楽しく受けてたりして。
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