【短編】メルティングギフト
昼食後、農家さんに梨と給料をもらいに行って、そのままプレゼントを買いに行って。

荷物持ちとして買い物にあちこち付き合っていたら、あっという間に日が暮れて、現在外は真っ暗。


移動時間に勉強してたから全然できなかったわけじゃないけど、ご飯食べたら本腰入れてやらなきゃ。



「あら、カップルかしら。青春ね〜」



クラスのグループチャットに数学の問題の答えを入力していると、母がはしゃぎだした。

カップルじゃなくて前見てよ。ほら、横断歩道の信号点滅し始めたよ。


小さく溜め息をついて窓の外に視線を向けた瞬間、飛び込んできた光景に目を見開いた。


街灯の下で向かい合わせになっている男女2人組。

眼鏡姿の若い男の人と、那須先輩……?


窓を閉め切っているため当然声は聞こえない。けど、あまりいい雰囲気ではないのはわかった。


確かあの人……時永さん、だっけ。
先輩が通う塾の先生で、1年の頃からお世話になってるって。

ご近所さんでもあるから時々一緒に帰ってるとは聞いたけど……何話してるんだろう。
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