【短編】メルティングギフト
すると、彼が胸元から布らしきものを取り出し、先輩の顔を優しく擦った。
は……⁉ ちょっ、なに勝手に触ってるんだよ。俺でさえまだ触ったことないのに。
たとえ布越しでも許さな……えっ、泣いてる……?
なんで? まさか、喧嘩してた?
涙を流す彼女を心配の目で見ていると、信号が青に。
車が動き出し、2人の姿は流れる景色に紛れて小さくなっていった。
*
翌週の月曜日。
後ろに置いていた荷物を自分の席に運び、スマホをチェックする。
通知0件、既読マークなし。だよな、テスト初日だし。
誰だって朝は忙しいんだから、送ったところですぐ返事が来るのは稀。端から期待はしていない。
けど……未読のままなのは、ちょっと困る。
まぁ、学校終わった後に見るかも……いや、この前みたいに家に忘れたって可能性もあるよな。
待ち伏せするのは気が引けるけど……今日は特別な日だから許してほしい。
は……⁉ ちょっ、なに勝手に触ってるんだよ。俺でさえまだ触ったことないのに。
たとえ布越しでも許さな……えっ、泣いてる……?
なんで? まさか、喧嘩してた?
涙を流す彼女を心配の目で見ていると、信号が青に。
車が動き出し、2人の姿は流れる景色に紛れて小さくなっていった。
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翌週の月曜日。
後ろに置いていた荷物を自分の席に運び、スマホをチェックする。
通知0件、既読マークなし。だよな、テスト初日だし。
誰だって朝は忙しいんだから、送ったところですぐ返事が来るのは稀。端から期待はしていない。
けど……未読のままなのは、ちょっと困る。
まぁ、学校終わった後に見るかも……いや、この前みたいに家に忘れたって可能性もあるよな。
待ち伏せするのは気が引けるけど……今日は特別な日だから許してほしい。