【短編】メルティングギフト
泣いたあの日、謝罪しようと連絡した。

のだが、私が思っている以上に傷は深かったようで。電話はおろか、メッセージを送っても返事が来ることはなかった。


幸い既読にはなってたけど……このまま仲直りできずに、どんどん距離が離れてしまったら。

卒業と同時に関係が終わってしまったら。

そう考えたら怖くなって、手紙を書いた。


無視されてるのに、我ながらしつこいと思う。

でも、今日は大切な日。
会ってくれなくても、返事が来ることを願おう。


それからテストを2時間受け、中間テストが終了した。

チャイムが鳴った途端、脇目も振らず校舎裏へ向かい、スマホをチェックする。


返事は、ないか……。
まぁ、まだ終わったばかりだし。焦らない焦らない。


段差に腰を下ろし、待つことに。

しかし、10分経っても、20分経っても、一向に来る気配がない。


それどころか……。


──キーンコーンカーンコーン……。
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