【短編】メルティングギフト
戸惑いつつ受け取って中を覗くと、青い箱が1つ。

出して開けてみたら……。



「えっ……これ、全部⁉」

「はい。最初はカップケーキだけ買うつもりだったんですけど、見つけた瞬間、先輩の顔が思い浮かんで」



「奮発しちゃいました」と甘い笑顔で付け足した久代くん。


入っていたのは、指輪をはじめとするアクセサリーセット。

その中のネックレスに一目惚れし、購入を決めたのだそう。

久代くんにとって、私はオレンジ色のお花のイメージなのか。嬉しいやら恥ずかしいやら。


ネックレスを渡し、つけてもらう。



「ありがとう。でも、こんなにたくさん、金欠になってない?」

「大丈夫。先週まで母と一緒に梨の収穫のお手伝いをしていたので。お財布の中潤いまくってるので安心してください」



なるほど。どうりで1個500円もするお菓子を何個も買えたわけだ。

破産してないとわかり、胸を撫で下ろした直後。



「よし、ついた」

「ありがとう! どう? 似合う?」

「最高です。先輩の可愛い笑顔がより一層輝いて見えます」
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