【短編】メルティングギフト
ま、まぁ、言われてみたら、時期的に次のステップに移行してもおかしくはないけども。……上手く、できるかな。

だって私……久代くんが初めての彼氏だもん。


なんでもいいと言ってしまったため、今更考え直してとは到底言えず。

目を瞑ってもらい、肩に手を置いて顔を近づけた。



「……ふはっ、真っ赤じゃないですか」

「うぅ、だってぇ……」



顔を隠すように彼に寄りかかる。


あああぁぁ、本っ当、冗談抜きで意識吹っ飛ぶかと思った!

弾力ありそうに見えてめちゃくちゃ柔らかいし!
こないだとは違ってほんのり甘い匂いするし!

今だって、細身のわりには、肩周りしっかりしてるし……。



「……久代くんの意地悪っ」

「わー、酷い。せっかくチャラにしてあげたのに。また罰として何か与えましょうか」

「なっ……! それは勘弁し……っ!」



慌てて体を離したその直後、目を閉じた端正な顔が視界一面に広がった。



「……本当、隙だらけですね」

「っ……」

「じゃあ今度は瑠生って呼んでくれませんか? 光葉先輩」
< 71 / 73 >

この作品をシェア

pagetop