ふたりだけの秘密、甘いこと。


「ーー……」



ふたたび、わたしが固まったのもわけがある。


ーーそう、彼は……“女嫌い”。


それもそんなに軽いものじゃなくて、超がつくほどの。


絶対に女の子のモデルさんとは共演しないし、もし共演したとしても……、うん。


めちゃくちゃ可愛い、美人さんと言われている人たちがどんなに頑張ってもバッサリ塩対応。


とにかく冷たい。とっても冷たい氷みたいに。


「ごめん無理」の一言しか聞いたことがないのだとか。



……ひえぇ……すごい。



女の子のファンたちにはぜんぜんそんな塩対応じゃないんだけど。

にっこり笑顔は返しているらしい。



とにかく、その完璧すぎる綺麗な容姿から“王子様”って言われているの。



……王子様、かあ……。



確かに、撮影に携わってくれているスタッフさんたちにはとっても紳士的だった……けど。



それに引きつった笑みしか浮かべられないわたしは、なんとも複雑だ。


だってーー……




「ーーあーあ、“Rui”と“のの”がくっついてたらなあー。もう完璧すぎて誰もが納得」



ーー……、へ?


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