やっぱり中身で勝負
土曜日、ウチのマンションの前に戸山くんと戸山くんのお母さんが乗った車が到着し、私とお母さんで乗り込む。
車の中から女子会が開始され、私達が中学生の頃の話題で大盛り上がりの母親たち。
ランチを予約している割烹に到着。
割烹でランチ!!
「ウチのお父さんが、退院祝いのお花に感激してね〜そのお礼にここを予約してくれたから、今日はゆっくりおしゃべりしましょうね。」
「戸山さん、ありがとうございます。こんな高級なお店は初めてだから宜しくお願いします」
「大丈夫!大丈夫! 今度は沙緒里ちゃんも一緒に来ましょうね」
「はい。ありがとうございます」
「じゃあ、母さん。オレと寺田さんはラグビークラブの試合観戦な。終わったら電話するわ」
「え? タクシーで帰るから沙緒里ちゃんをドライブでも連れて行ってあげて」
「え! ドライブ?寺田さんどうする?」
「ああ…はい…」
「戸山くん、沙緒里は何処にも遊びに行かないからドライブしてもらえる?」
「お母さん! 失礼でしょう。」
「寺田さんがイヤじゃあなければオレはドライブ好きだから大丈夫だよ」
「そうよ。沙緒里ちゃん。ウチの一郎で申し訳ないけど、日頃のストレス発散に景色の良いところへドライブしてきたら?」
「戸山くん。本当にいいの?」
「うん。大丈夫」
「じゃあ、宜しくお願いします」
「一郎、可愛い沙緒里ちゃんを乗せるんだからくれぐれも安全運転でね。」
「うん。わかった。母さん達も楽しんできてよ」
「は〜い!じゃあ寺田さん、今日はゆっくりおしゃべりしましょうね」
「はい!戸山くん。送ってくれてありがとう。沙緒里の事も宜しくお願いしますね。」
「はい。」
お母さんたちは賑やかに割烹へ入って行った。