やっぱり中身で勝負

何事かと慌てて帰って来たお父さんと一郎くん。

『ただいま。
父さんとオレも一緒に定時で帰ってこいってどうしたの？　何かあった？』

『沙緒里ちゃん！2人に報告してあげて〜』

『お父さん、一郎くんおかえりなさい。
実はこの間から眠くて眠くて体がダルかったの。
今日、お母さんたちと一緒に病院へ行ったら妊娠3ヶ月だって！　予定日は来年の4/8です』

『マジ！！やった〜。沙緒里ありがとう。』と一郎くんは私に抱きついた。

『沙緒里ちゃん、一郎おめでとう。沙緒里ちゃんは体に気をつけて元気な赤ちゃんを産んでね』

とお父さんもお母さんたちもニコニコ。

私は一郎くんの強烈ハグに
『一郎くん、苦しい』

『あ、ごめんな沙緒里。嬉しくてつい…』
そして私のお腹をさすりながら『ごめんね赤ちゃん。　オレの声は聞こえる？パパだよ〜』と大きな体を屈めてお腹に話しかけていた。