恋は秘密のその先に
「グッイブニーング!お待たせ」

約束の時間にホテルのロビーに現れたカレンは、真っ赤なドレスをセクシーに着こなし、髪も夜会巻きで大人の女性の魅力に溢れていた。

ロビーにいた男性が、カレンを見てヒューと口笛を吹いている。

「うわー、カレンさん。とってもお綺麗です!」
「ありがとう!マリア、どうしてショール掛けてるのよ?取ったら?」
「いえ!あの、私、そう!冷え性なんですよ。あはは!暑くなったら取りますから」
「ふーん、なるほど。マリアはそういう作戦なのね。いいわ、それでいきましょう」
「私の作戦?って、鶴の恩返し?」
「は?何それ。とにかく、早く乗って。遅れちゃうわ」
「あ、はい!」

サムの運転するリムジンで、皆は会場のホテルに向かった。
< 119 / 172 >

この作品をシェア

pagetop