恋は秘密のその先に
「ひゃー!なんて素敵なの」

案内されたパーティー会場は、まるでお城の舞踏会のように豪華だった。

照明はグッと落とされ、窓からはマンハッタンの夜景が見下ろせる。

そして何より、皆の装いが目も眩むほど華やかだった。

立食パーティーで、既に皆はグラスを片手におしゃべりを楽しんでいる。

「うちと関係がある企業が集まってるの。AMAGIコーポレーションも、CEOから紹介されると思うわ」

カレンの言葉に真里亜は、ひえっと首をすくめる。

やがてガヤガヤとした雰囲気の中、
「Ladies and gentlemen」
と前方でタキシード姿の男性がマイクで話し始め、早速CEOのジョンを紹介した。

正装したジョンが前に立ち、にこやかに、クリスマスホリデイを楽しんでいるか?と尋ね、皆がそれに頷いてイエス!と声を上げる。

今夜も皆でこのパーティーを楽しんで欲しい、と話し、ゲストを簡単に紹介していく。

次々と挙げられる企業名は、世界トップクラスの有名企業で、真里亜はその度に、ええー?!あの方が?と驚いていた。

「From Japan. AMAGI corporation. Fumiya and Maria」

突然名前を呼ばれ、真里亜はハッと我に返る。

文哉が笑顔でぐるっと周りを見渡し、右手を軽く胸に当てて会釈する。
真里亜も笑顔で拍手に応えた。

ひと通り紹介が終わると、ジョンの音頭で乾杯となる。

あとは皆、気ままに楽しく食事やおしゃべり、ダンスを楽しんでいた。

文哉も何人かの人に声をかけられ、名刺交換をしている。

その姿を少し後ろから見守っていると、マリア!とカレンの声がした。

振り向くと、早く、こっち!と手招きしている。
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