恋は秘密のその先に
CEOのジョンと、かなり打ち解けて話せるようになった文哉に、ジョンは具体的な仕事の話をしていた。
今後はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そして中国や日本の企業とも連携しながら、独自のセキュリティシステム開発チームを作りたい。
日本からは、AMAGIコーポレーションを招くよと言われ、文哉も、大変光栄ですと頭を下げた。
詳しいことは今後キュリアス ジャパンを通じて連絡する。またいつでもニューヨークに遊びに来てくれ、と言われて文哉も笑顔で頷く。
ようやくジョンが離れて行き、ふうと肩の力を抜いた文哉は、ふと後ろを振り返った。
そこにいるはずの真里亜がいない。
(あれ?あいつ、どこに行った?)
会場内を見渡してみるが、それらしい姿は見えない。
(おかしいな…)
キョロキョロしながら歩いていると、壁際でグラスを片手に何やら嬉しそうにしているカレンを見つけた。
カレンは文哉の視線に気づき、ニヤッと笑ってから親指でクイッと部屋の中央を指差す。
なんだ?とその先に目をやると、何人もの男性に囲まれている女性の後ろ姿が見えた。
黒髪をアップでまとめ、ブラックのドレスの背中は大きく開いている。
うなじから首筋、そして背中のラインまでをスーッと撫でたくなるような、真っ白で美しい肌。
少し動くと両サイドのスリットからのぞく足のラインも綺麗で、肩から素肌をさらしているスラリと長い両腕もとても大人っぽい。
映画のワンシーンみたいだな、と文哉がぼんやり眺めていると、やがて横から話しかけてきた男性の方に女性は身体の向きを変えた。
胸の谷間がはっきり分かり、文哉は思わずドキッとする。
(うわっ、目のやり場に困るな。って、ん?)
眉間にしわを寄せながらマジマジと女性の顔を見つめる。
(え、ちょっと待て。もしかして、あいつなのか?!)
文哉は何かを考えるよりも先に、ツカツカと近づいて行く。
「副社長」
驚いたように声を上げる真里亜の肩を、グイッと抱き寄せた。
Excuse me. と言いながら男性の輪の中から真里亜を連れ出すと、壁際まで連れて来る。
「あ、あの、副社長?」
ムッとした表情のままの文哉に、真里亜がおずおずと声をかける。
「お前な、なんでそんなに無防備なんだ!少しは考えろ!」
「ご、ごめんなさい」
強い口調に驚いて、真里亜が目を潤ませながら謝ると、文哉はハッとして慌てて否定した。
「いや、違う。すまん、俺が悪かった」
どうしてこんなにカッとなってしまったのか分からないが、一刻も早く男達の前から真里亜を連れ出したかった。
「あ、えっと。俺のそばから離れるな。いいか?」
「はい、すみません」
潤んだ瞳で見上げられ、文哉は頭がクラッとした。
身体のラインがはっきりと分かる大胆なドレスに豊かな胸の谷間。
ホテルの部屋を出た時に、真里亜の腰に手を回してそのくびれた感触に驚いたことを思い出す。
今も手に残る、あの艶めかしい腰のライン。
セクシーなドレス姿に加えて、今自分を見つめてくる瞳は涙で少し潤んでいる。
(はあ、ためだ。おかしくなる)
少し頭を冷やさなければ、と部屋を出ようとして、文哉はふと足を止めた。
「カレンさんと一緒にいろ。すぐに戻る」
「はい、分かりました」
真里亜に言い残してから、文哉はすぐさま視線を逸らして部屋を出た。
今後はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そして中国や日本の企業とも連携しながら、独自のセキュリティシステム開発チームを作りたい。
日本からは、AMAGIコーポレーションを招くよと言われ、文哉も、大変光栄ですと頭を下げた。
詳しいことは今後キュリアス ジャパンを通じて連絡する。またいつでもニューヨークに遊びに来てくれ、と言われて文哉も笑顔で頷く。
ようやくジョンが離れて行き、ふうと肩の力を抜いた文哉は、ふと後ろを振り返った。
そこにいるはずの真里亜がいない。
(あれ?あいつ、どこに行った?)
会場内を見渡してみるが、それらしい姿は見えない。
(おかしいな…)
キョロキョロしながら歩いていると、壁際でグラスを片手に何やら嬉しそうにしているカレンを見つけた。
カレンは文哉の視線に気づき、ニヤッと笑ってから親指でクイッと部屋の中央を指差す。
なんだ?とその先に目をやると、何人もの男性に囲まれている女性の後ろ姿が見えた。
黒髪をアップでまとめ、ブラックのドレスの背中は大きく開いている。
うなじから首筋、そして背中のラインまでをスーッと撫でたくなるような、真っ白で美しい肌。
少し動くと両サイドのスリットからのぞく足のラインも綺麗で、肩から素肌をさらしているスラリと長い両腕もとても大人っぽい。
映画のワンシーンみたいだな、と文哉がぼんやり眺めていると、やがて横から話しかけてきた男性の方に女性は身体の向きを変えた。
胸の谷間がはっきり分かり、文哉は思わずドキッとする。
(うわっ、目のやり場に困るな。って、ん?)
眉間にしわを寄せながらマジマジと女性の顔を見つめる。
(え、ちょっと待て。もしかして、あいつなのか?!)
文哉は何かを考えるよりも先に、ツカツカと近づいて行く。
「副社長」
驚いたように声を上げる真里亜の肩を、グイッと抱き寄せた。
Excuse me. と言いながら男性の輪の中から真里亜を連れ出すと、壁際まで連れて来る。
「あ、あの、副社長?」
ムッとした表情のままの文哉に、真里亜がおずおずと声をかける。
「お前な、なんでそんなに無防備なんだ!少しは考えろ!」
「ご、ごめんなさい」
強い口調に驚いて、真里亜が目を潤ませながら謝ると、文哉はハッとして慌てて否定した。
「いや、違う。すまん、俺が悪かった」
どうしてこんなにカッとなってしまったのか分からないが、一刻も早く男達の前から真里亜を連れ出したかった。
「あ、えっと。俺のそばから離れるな。いいか?」
「はい、すみません」
潤んだ瞳で見上げられ、文哉は頭がクラッとした。
身体のラインがはっきりと分かる大胆なドレスに豊かな胸の谷間。
ホテルの部屋を出た時に、真里亜の腰に手を回してそのくびれた感触に驚いたことを思い出す。
今も手に残る、あの艶めかしい腰のライン。
セクシーなドレス姿に加えて、今自分を見つめてくる瞳は涙で少し潤んでいる。
(はあ、ためだ。おかしくなる)
少し頭を冷やさなければ、と部屋を出ようとして、文哉はふと足を止めた。
「カレンさんと一緒にいろ。すぐに戻る」
「はい、分かりました」
真里亜に言い残してから、文哉はすぐさま視線を逸らして部屋を出た。