恋は秘密のその先に
「カレンさん、今日は本当にありがとうございました」
パーティーもお開きとなり、ホテルまで送ってもらうと、真里亜は改めてカレンに礼を言う。
「ヘアクリップも、ありがとうございました。それとこのドレスは、ホテルのクリーニングに出してからお返ししますね」
「いいのよ。ドレスもヘアクリップもプレゼントするわ。受け取ってちょうだい」
「でも、こんな高価なものを…」
「気にしないでってば。それより明日は、また10時に迎えに来るわね。オフィスを案内するだけだから、カジュアルなスタイルで大丈夫よ。じゃあねー!」
カレンは軽やかに車に戻ると、手を振って去って行った。
真里亜は文哉とエレベーターに乗り部屋に向かう。
「日本は今、昼頃か。社長に少し電話で報告しておこう」
「かしこまりました。資料を持ってすぐお部屋に伺います」
部屋の前で別れると、すぐさま真里亜はシャツとジーンズに着替え、タブレットに少し入力してから文哉の部屋に繋がる部屋をノックした。
「どうぞ」
「失礼します」
部屋に入ると、文哉は真里亜を2度見する。
「どうかしましたか?」
「いや、あの。着替えたんだな」
「え?はい」
「そうか」
文哉はジャケットとタイを外し、シャツの袖をまくるとデスクの前に座る。
真里亜は文哉に、タブレットに入力した箇条書きの項目を見せた。
「CEOとの話の内容、今後の展望、社に戻ってからやるべきことなど、ざっくりですがこちらでよろしいでしょうか?」
「ああ、そうだな。分かりやすい。いつの間にこれを?」
「えっと、今の間です」
「なんだそれ、ははっ!」
文哉はおかしそうに笑ってから、日本にいる社長に電話をかける。
真里亜は、文哉の言葉に合わせて必要な資料を並べていった。
5分程で電話を終えると、文哉は真里亜に頷いてみせた。
「社長からも、改めてジョンにコンタクトを取って挨拶するらしい」
「そうですか、良かったです」
「ああ。これで一段落だな」
「そうですね。残すは明日のオフィス見学だけですし。副社長、お疲れ様でした」
「お前もな。お疲れ様」
うーん、と伸びをしてから、文哉はデスクに片肘をついて真里亜を斜めに見上げる。
「お前、冬休みは特に予定ないか?」
「え?あ、はい」
「だったら、クリスマスが終わるまでこっちにいないか?」
えっ、と真里亜は驚く。
「社長もそうしたらどうだ?と言っていた。せっかくニューヨークにいるのに、クリスマス目前に帰国するなんて、3つ星レストランに入って料理を食べずに帰るようなものだって」
「ふふっ、それはもったいないですね」
「だろ?じゃあ、26日にここを発つ便で帰ろうか」
「はい。ありがとうございます」
真里亜は思いがけず楽しい休暇になりそうで、胸がワクワクした。
パーティーもお開きとなり、ホテルまで送ってもらうと、真里亜は改めてカレンに礼を言う。
「ヘアクリップも、ありがとうございました。それとこのドレスは、ホテルのクリーニングに出してからお返ししますね」
「いいのよ。ドレスもヘアクリップもプレゼントするわ。受け取ってちょうだい」
「でも、こんな高価なものを…」
「気にしないでってば。それより明日は、また10時に迎えに来るわね。オフィスを案内するだけだから、カジュアルなスタイルで大丈夫よ。じゃあねー!」
カレンは軽やかに車に戻ると、手を振って去って行った。
真里亜は文哉とエレベーターに乗り部屋に向かう。
「日本は今、昼頃か。社長に少し電話で報告しておこう」
「かしこまりました。資料を持ってすぐお部屋に伺います」
部屋の前で別れると、すぐさま真里亜はシャツとジーンズに着替え、タブレットに少し入力してから文哉の部屋に繋がる部屋をノックした。
「どうぞ」
「失礼します」
部屋に入ると、文哉は真里亜を2度見する。
「どうかしましたか?」
「いや、あの。着替えたんだな」
「え?はい」
「そうか」
文哉はジャケットとタイを外し、シャツの袖をまくるとデスクの前に座る。
真里亜は文哉に、タブレットに入力した箇条書きの項目を見せた。
「CEOとの話の内容、今後の展望、社に戻ってからやるべきことなど、ざっくりですがこちらでよろしいでしょうか?」
「ああ、そうだな。分かりやすい。いつの間にこれを?」
「えっと、今の間です」
「なんだそれ、ははっ!」
文哉はおかしそうに笑ってから、日本にいる社長に電話をかける。
真里亜は、文哉の言葉に合わせて必要な資料を並べていった。
5分程で電話を終えると、文哉は真里亜に頷いてみせた。
「社長からも、改めてジョンにコンタクトを取って挨拶するらしい」
「そうですか、良かったです」
「ああ。これで一段落だな」
「そうですね。残すは明日のオフィス見学だけですし。副社長、お疲れ様でした」
「お前もな。お疲れ様」
うーん、と伸びをしてから、文哉はデスクに片肘をついて真里亜を斜めに見上げる。
「お前、冬休みは特に予定ないか?」
「え?あ、はい」
「だったら、クリスマスが終わるまでこっちにいないか?」
えっ、と真里亜は驚く。
「社長もそうしたらどうだ?と言っていた。せっかくニューヨークにいるのに、クリスマス目前に帰国するなんて、3つ星レストランに入って料理を食べずに帰るようなものだって」
「ふふっ、それはもったいないですね」
「だろ?じゃあ、26日にここを発つ便で帰ろうか」
「はい。ありがとうございます」
真里亜は思いがけず楽しい休暇になりそうで、胸がワクワクした。