恋は秘密のその先に
動きやすい服装に着替えて、二人は意気揚々と街に繰り出した。
自由の女神やセントラルパークなどの観光名所を巡りつつ、ショッピングを楽しむ。
夜は展望台から夜景を眺め、夕食を食べながら明日の予定を話し合う。
「えーっと、カレンさんが予約してくれたチケットは…。昼からロックフェラーセンターのスケート、夜はミュージカルだから、その合間に美術館巡りをしたいです」
「いいな。あとは何かしたいことあるか?」
「んー、もし時間があれば、オーケストラやバレエも観たいです」
「そうしよう。時間はたっぷりある」
「あと、25日はクリスマスのミサに参列出来たら…」
「へえ、クリスチャンなのか?」
「いえ、そういう訳ではないので申し訳ないですが…」
「セント・パトリック大聖堂も、洗礼を受けていなくても大丈夫だから、行ってみよう」
「はい!楽しみです」
それと…と、文哉は少し視線を落としてから尋ねる。
「クリスマス・イブは、どうする?」
「特に希望はありませんが。副社長は?行きたい所ありますか?」
「いや、ないんだけど。その…」
珍しく言い淀む文哉に、真里亜は、ん?と首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「あ、うん。その…クリスマス・イブに、俺と一緒にいてもいいのか?」
「は?副社長はお一人で過ごされたいのですか?でしたら私は…」
「いや、そういうことじゃなんだ。つまりその、どこかで一緒に夕食を食べてもいいか?」
「はあ、それは、もちろん」
「分かった。じゃあ予約しておく」
「はい。お願いします」
腑に落ちないまま返事をし、しばらく考えてからようやく真里亜は気づいた。
「やだ!副社長。クリスマス・イブは恋人と過ごす日ってこだわってるんですか?」
「いや、お前が気にするかなと思って…」
「へー、案外ロマンチストなんですね。副社長って」
「だから!俺はこだわってないってば!」
「でも、予約しておくってことは、どこか素敵なレストランをってことですか?」
「それは、その…。女の子がイブにファストフードって、なんか、悲しむかなと…」
「えー!?副社長の口からそんなセリフが!大変、住谷さんに報告しなきゃ!」
「バカ!絶対にやめろ!」
ギロッと恐ろしい目で睨まれ、ようやく真里亜は口をつぐんだ。
自由の女神やセントラルパークなどの観光名所を巡りつつ、ショッピングを楽しむ。
夜は展望台から夜景を眺め、夕食を食べながら明日の予定を話し合う。
「えーっと、カレンさんが予約してくれたチケットは…。昼からロックフェラーセンターのスケート、夜はミュージカルだから、その合間に美術館巡りをしたいです」
「いいな。あとは何かしたいことあるか?」
「んー、もし時間があれば、オーケストラやバレエも観たいです」
「そうしよう。時間はたっぷりある」
「あと、25日はクリスマスのミサに参列出来たら…」
「へえ、クリスチャンなのか?」
「いえ、そういう訳ではないので申し訳ないですが…」
「セント・パトリック大聖堂も、洗礼を受けていなくても大丈夫だから、行ってみよう」
「はい!楽しみです」
それと…と、文哉は少し視線を落としてから尋ねる。
「クリスマス・イブは、どうする?」
「特に希望はありませんが。副社長は?行きたい所ありますか?」
「いや、ないんだけど。その…」
珍しく言い淀む文哉に、真里亜は、ん?と首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「あ、うん。その…クリスマス・イブに、俺と一緒にいてもいいのか?」
「は?副社長はお一人で過ごされたいのですか?でしたら私は…」
「いや、そういうことじゃなんだ。つまりその、どこかで一緒に夕食を食べてもいいか?」
「はあ、それは、もちろん」
「分かった。じゃあ予約しておく」
「はい。お願いします」
腑に落ちないまま返事をし、しばらく考えてからようやく真里亜は気づいた。
「やだ!副社長。クリスマス・イブは恋人と過ごす日ってこだわってるんですか?」
「いや、お前が気にするかなと思って…」
「へー、案外ロマンチストなんですね。副社長って」
「だから!俺はこだわってないってば!」
「でも、予約しておくってことは、どこか素敵なレストランをってことですか?」
「それは、その…。女の子がイブにファストフードって、なんか、悲しむかなと…」
「えー!?副社長の口からそんなセリフが!大変、住谷さんに報告しなきゃ!」
「バカ!絶対にやめろ!」
ギロッと恐ろしい目で睨まれ、ようやく真里亜は口をつぐんだ。