恋は秘密のその先に
「みんな、本当にお疲れ様!そしてありがとう。私は君達を誇りに思うよ。これからも世界中の企業の先頭に立って、新しい道を一緒に切り拓いていこう!」

記者会見を終えたジョンが、オンラインで各国のチームメンバーに呼びかける。

「とにかく今は乾杯だ。みんな、準備はいいか?」

イエス!と、それぞれが用意したグラスを手に持つ。

「それでは、我々の成功と友情に。乾杯!」
「かんぱーい!」

AMAGIの会議室でも、たくさん用意されたお酒と食べ物でパーティーが始まる。

オンラインは繋いだまま、時折他の国のメンバーとも、グラスを合わせる真似をして笑い合った。

あれだけ揉めて、悩んで、頭を抱えた日々が嘘のように、誰もがフレンドリーに笑顔で互いを労う。

「諸君。もう一つお知らせがあるよ」

宴もたけなわな頃、ジョンが画面越しに皆に呼び掛けた。

「来月、君達全員をニューヨークに招いてパーティーを開く。実際に顔を合わせて握手を交わそうじゃないか。是非、予定を空けておいてくれ」

ワー!と皆は一気に盛り上がる。

(パーティー?ニューヨークで?)

真里亜もジワジワと喜びが込み上げてきた。

(また行けるの?ニューヨークに…)

すると、こちらを振り返った文哉と目が合う。

文哉は真里亜を見てにっこりと笑い、大きく頷いた。

(行けるんだ!文哉さんとまた、ニューヨークに!)

真里亜も満面の笑みで文哉に頷いた。
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