恋は秘密のその先に
今夜のパーティー会場は一流ホテルのバンケットホールで、以前の企業懇親会の時よりも遥かに広く、ゴージャスで優雅な雰囲気に包まれていた。
真里亜は思わず、わあ…と感嘆の声を上げて辺りを見渡す。
スタッフに案内されて、真っ白なクロスが敷かれた丸テーブルの席に、文哉と住谷、そして真里亜の三人で座った。
まずは主催者の挨拶から始まり、新社長のお披露目や乾杯など、パーティーは順調に進む。
やがて食事を楽しみながら歓談の時間になった。
美味しそうなフレンチのフルコースに真里亜は目を輝かせるが、文哉の元に次々と人が挨拶に来る為、呑気に味わってはいられなかった。
「これはこれは、天城副社長。ご無沙汰しております」
年配の男性に声をかけられ、文哉と共に真里亜や住谷も立ち上がる。
住谷が小さく、岡村ビジネスソリューションズの社長です、と文哉にささやいた。
「こちらこそ、ご無沙汰しております。岡村社長」
「いやー、相変わらずハンサムでいらっしゃいますな。いかがでしょう。先日のお話は考えていただけましたでしょうか?」
「先日のお話?…とは」
ご令嬢とのお見合いです、と、またしても住谷がささやく。
「岡村社長。実は今夜は、皆様に私の婚約者を紹介しようと連れて参りました」
文哉が真里亜の手を取って引き寄せる。
「阿部と申します。初めまして」
真里亜は控え目な笑みを浮かべながら、丁寧にお辞儀をした。
「えっ!副社長のフィアンセですか?いやはや、驚きましたな。なるほど、これはお似合いの美男美女だ。分かりました。娘の縁談は諦めますが、仕事面ではこれからもどうぞご贔屓に」
「こちらこそ。よろしくお願いいたします」
文哉と共に、真里亜も頭を下げて社長を見送った。
真里亜は思わず、わあ…と感嘆の声を上げて辺りを見渡す。
スタッフに案内されて、真っ白なクロスが敷かれた丸テーブルの席に、文哉と住谷、そして真里亜の三人で座った。
まずは主催者の挨拶から始まり、新社長のお披露目や乾杯など、パーティーは順調に進む。
やがて食事を楽しみながら歓談の時間になった。
美味しそうなフレンチのフルコースに真里亜は目を輝かせるが、文哉の元に次々と人が挨拶に来る為、呑気に味わってはいられなかった。
「これはこれは、天城副社長。ご無沙汰しております」
年配の男性に声をかけられ、文哉と共に真里亜や住谷も立ち上がる。
住谷が小さく、岡村ビジネスソリューションズの社長です、と文哉にささやいた。
「こちらこそ、ご無沙汰しております。岡村社長」
「いやー、相変わらずハンサムでいらっしゃいますな。いかがでしょう。先日のお話は考えていただけましたでしょうか?」
「先日のお話?…とは」
ご令嬢とのお見合いです、と、またしても住谷がささやく。
「岡村社長。実は今夜は、皆様に私の婚約者を紹介しようと連れて参りました」
文哉が真里亜の手を取って引き寄せる。
「阿部と申します。初めまして」
真里亜は控え目な笑みを浮かべながら、丁寧にお辞儀をした。
「えっ!副社長のフィアンセですか?いやはや、驚きましたな。なるほど、これはお似合いの美男美女だ。分かりました。娘の縁談は諦めますが、仕事面ではこれからもどうぞご贔屓に」
「こちらこそ。よろしくお願いいたします」
文哉と共に、真里亜も頭を下げて社長を見送った。