恋は秘密のその先に
そして迎えたプレゼン当日。
真里亜は副社長室で、朝から何度も必要な書類やパソコンの確認をしていた。

プレゼンを頭の中でシミュレーションしながら、使用する書類を順番に確かめていく。

部数やページ数、落丁等がないかも丁寧にページをめくってチェックした。

(あとは予備の資料とタブレットと…。うん、これでオッケー)

「真里亜ちゃん、準備出来た?」

時間になり、住谷が副社長室に顔を出す。

「はい、大丈夫です」

荷物を手に真里亜が頷くと、よし、行こうと文哉が立ち上がった。

車2台に分かれて、エンジニアやプログラマーのリーダー達と先方のオフィスに向かう。

案内された会議室でそれぞれポジションにつき、準備が整うと、文哉はメンバー全員を見渡して大きく頷いてみせた。

「それでは、我々AMAGIコーポレーションが御社に提案させていただきますセキュリティシステム、並びにネットワークサービスについてご紹介いたします」

文哉のよく通る声で、会議室の雰囲気が一気に引き締まる。

真里亜はそんな文哉を見つめながら、プレゼンの進行に全神経を集中させていた。
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