恋は秘密のその先に
退院した次の日から会社に行く気満々だった真里亜は、退院した日が金曜日であることに気づいてガックリする。
「明日も明後日も休みか。あー、キュリアスの件がどうなったのか早く知りたいのに!」
送ってくれた住谷に車の中で聞いても、文哉がなんとかしてくれるよ、としか答えてくれなかった。
ヤキモキしながら休日を過ごしていると、日曜の夜に、副社長からキュリアスのチームメンバーに向けて一斉メールが届いた。
真里亜はすぐさまメールを開く。
まず初めに、休日にメールをして申し訳ないと断りがあり、続いて、三日間に渡るキュリアスとの話し合いを終えたと書いてあった。
(それで、どうなったの?!)
真里亜はゴクッと唾を飲み込んで、先を読み進める。
そこには、木曜日に起こった出来事をキュリアス側に説明した、とあった。
レッドゾーンのセキュリティシステムをハッカーに突破されたこと
顔認証と指紋認証は破られなかったが、中からドアを開けたことにより、副社長室に侵入されたこと
パソコンを奪われそうになったが、すぐに警備員が駆けつけて警察に犯人を引き渡したこと
全てを包み隠さず報告した、と書かれていた。
(中からドアを開けたって…、私のことだ)
真里亜は胸がズキンと傷んだ。
(それで、キュリアスの皆さんは?うちを信用してくれなくなったの?)
思わず泣きそうになりながら、真里亜はメールの先を読む。
すると、意外なことが書かれていた。
キュリアス側でも色々詳しく調べてみたところ、今回の犯人であるハッカーは、国内のみならず、海外の有名企業をいくつもハッキングしたことがあり、世界中で一番恐れられているハッカーだったというのだ。
そして、レッドゾーンのセキュリティが破られたとはいえ、顔認証と指紋認証は守られていたこと、他の企業がハッキングの被害で大損害を出したにも関わらず、被害を受けずに犯人逮捕にまで至ったことで、AMAGIには世界の有名企業から称賛の声が寄せられているらしかった。
それに対してAMAGIは、今後レッドゾーンのセキュリティシステムを直ちに見直すこと、顔認証と指紋認証システムを、当初の予定より多くのポイントに設置することにより、キュリアスのビルの安全を守っていく所存であると伝え、キュリアス側もそれを了承してくれた、と報告されていた。
「つ、つまり、それは…」
真里亜ははやる気持ちを抑えながら、最後の文章を読む。
『今後もキュリアス ジャパンの為に最善かつ最強のシステムを提供していくことを誓い、皆にも尽力を願いたくよろしくお願いする』
「え、これって…」
今後もキュリアスの為に、皆で尽力する。
「つまり、このまま続けていいのよね?」
やったー!!と、真里亜は胸に抱えていたクッションを宙に投げる。
「良かったー。あー、本当に良かったよう」
ホッとして思わず目に涙が浮かぶ。
「よし!そうと決まれば、あとはひたすらがんばるのみね!」
真里亜は右手をギュッと握りしめて、大きく頷いた。
「明日も明後日も休みか。あー、キュリアスの件がどうなったのか早く知りたいのに!」
送ってくれた住谷に車の中で聞いても、文哉がなんとかしてくれるよ、としか答えてくれなかった。
ヤキモキしながら休日を過ごしていると、日曜の夜に、副社長からキュリアスのチームメンバーに向けて一斉メールが届いた。
真里亜はすぐさまメールを開く。
まず初めに、休日にメールをして申し訳ないと断りがあり、続いて、三日間に渡るキュリアスとの話し合いを終えたと書いてあった。
(それで、どうなったの?!)
真里亜はゴクッと唾を飲み込んで、先を読み進める。
そこには、木曜日に起こった出来事をキュリアス側に説明した、とあった。
レッドゾーンのセキュリティシステムをハッカーに突破されたこと
顔認証と指紋認証は破られなかったが、中からドアを開けたことにより、副社長室に侵入されたこと
パソコンを奪われそうになったが、すぐに警備員が駆けつけて警察に犯人を引き渡したこと
全てを包み隠さず報告した、と書かれていた。
(中からドアを開けたって…、私のことだ)
真里亜は胸がズキンと傷んだ。
(それで、キュリアスの皆さんは?うちを信用してくれなくなったの?)
思わず泣きそうになりながら、真里亜はメールの先を読む。
すると、意外なことが書かれていた。
キュリアス側でも色々詳しく調べてみたところ、今回の犯人であるハッカーは、国内のみならず、海外の有名企業をいくつもハッキングしたことがあり、世界中で一番恐れられているハッカーだったというのだ。
そして、レッドゾーンのセキュリティが破られたとはいえ、顔認証と指紋認証は守られていたこと、他の企業がハッキングの被害で大損害を出したにも関わらず、被害を受けずに犯人逮捕にまで至ったことで、AMAGIには世界の有名企業から称賛の声が寄せられているらしかった。
それに対してAMAGIは、今後レッドゾーンのセキュリティシステムを直ちに見直すこと、顔認証と指紋認証システムを、当初の予定より多くのポイントに設置することにより、キュリアスのビルの安全を守っていく所存であると伝え、キュリアス側もそれを了承してくれた、と報告されていた。
「つ、つまり、それは…」
真里亜ははやる気持ちを抑えながら、最後の文章を読む。
『今後もキュリアス ジャパンの為に最善かつ最強のシステムを提供していくことを誓い、皆にも尽力を願いたくよろしくお願いする』
「え、これって…」
今後もキュリアスの為に、皆で尽力する。
「つまり、このまま続けていいのよね?」
やったー!!と、真里亜は胸に抱えていたクッションを宙に投げる。
「良かったー。あー、本当に良かったよう」
ホッとして思わず目に涙が浮かぶ。
「よし!そうと決まれば、あとはひたすらがんばるのみね!」
真里亜は右手をギュッと握りしめて、大きく頷いた。