恋は秘密のその先に
チラッと腕時計に視線を落とした文哉に、住谷が含み笑いをしながら声をかける。
「副社長。真里亜ちゃんなら、とっくに出社してますよ。人事部の方にね」
「あ、そうか。いや、別に俺はそんなこと…」
「はいはい。真里亜ちゃんがいなくても平気なんですよねー」
いつも真里亜がいたデスクでパソコンに向かいながら、住谷は文哉に嫌味を言う。
「あーあ、誰かさんがいきなり追い出すから、俺が穴埋めしなきゃいけなくなるし。しかも、有能な彼女が抜けるなんて、チームにとっても大打撃。いいのかなー、こんなんでキュリアスの大事な仕事、上手くいくのかなー」
文哉は大きくため息をつく。
「おい、智史。黙って仕事しろ」
「黙ってますよー。でも心の声がダダ漏れしちゃうんですよねー。あー、真里亜ちゃんがいてくれたらなー」
「うるさい!さっさと仕事しろ!」
「したいですよー。でも真里亜ちゃんしか分からない内容ばかりで、進まないんですよーだ」
「ああもう、分かったよ!俺がやればいいんだろ?!」
苛立ちながら、文哉はキュリアス関連の共有フォルダをクリックする。
(あれ?あの資料どこに行った?)
来週、先方に提出するはずのファイルが見当たらない。
(なんでだ?全部この共有フォルダに入れてあったはず…)
そして文哉は気づいた。
真里亜が自分が作った資料を、全て共有フォルダから抜いたことに。
「あいつめーー!!」
急に大きな声を出した文哉に、住谷もこの時ばかりはビクッと身体をこわばらせていた。
「副社長。真里亜ちゃんなら、とっくに出社してますよ。人事部の方にね」
「あ、そうか。いや、別に俺はそんなこと…」
「はいはい。真里亜ちゃんがいなくても平気なんですよねー」
いつも真里亜がいたデスクでパソコンに向かいながら、住谷は文哉に嫌味を言う。
「あーあ、誰かさんがいきなり追い出すから、俺が穴埋めしなきゃいけなくなるし。しかも、有能な彼女が抜けるなんて、チームにとっても大打撃。いいのかなー、こんなんでキュリアスの大事な仕事、上手くいくのかなー」
文哉は大きくため息をつく。
「おい、智史。黙って仕事しろ」
「黙ってますよー。でも心の声がダダ漏れしちゃうんですよねー。あー、真里亜ちゃんがいてくれたらなー」
「うるさい!さっさと仕事しろ!」
「したいですよー。でも真里亜ちゃんしか分からない内容ばかりで、進まないんですよーだ」
「ああもう、分かったよ!俺がやればいいんだろ?!」
苛立ちながら、文哉はキュリアス関連の共有フォルダをクリックする。
(あれ?あの資料どこに行った?)
来週、先方に提出するはずのファイルが見当たらない。
(なんでだ?全部この共有フォルダに入れてあったはず…)
そして文哉は気づいた。
真里亜が自分が作った資料を、全て共有フォルダから抜いたことに。
「あいつめーー!!」
急に大きな声を出した文哉に、住谷もこの時ばかりはビクッと身体をこわばらせていた。