恋は秘密のその先に
真里亜と別れ、住谷はヨロヨロと副社長室に戻る。

本当は真里亜に、文哉のことが好きなんじゃないか?と詰め寄り、あわよくば二人をくっつけてしまおうと思って人事部に行ったのに、まさかの返り討ちに遭い、思考回路は完全に機能しなくなっていた。

(だめだ、もう立ち直れない。この俺が、かつては自分に振り向かない女の子なんていない、とまで自負していたこの俺が…)

両手をデスクに載せて顔をうずめる。

(確かに最近は誰ともつき合ってなかったけど、まさか文哉との仲を疑われるなんて。いかん!俺も早く彼女を作らないと!キュリアスとの仕事をきっちり終わらせたら、絶対に彼女作るぞ!)

住谷は決意を固めると、キッと顔を上げてパソコンに向き直った。
< 79 / 172 >

この作品をシェア

pagetop