恋は秘密のその先に
第十三章 秘密の真相
人事部での穏やかな日々が過ぎていく。
すっかり季節は秋へと移り変わり、真里亜はますますキュリアスの仕事に没頭した夏の出来事を忘れかけていた。
そんなある日。
仕事が一段落した真里亜は、コーヒーでも飲もうと部屋を出たところで声をかけられた。
「真里亜ちゃん」
「住谷さん!お疲れ様です」
「お疲れ様。ちょっといいかな?」
「はい」
二人でカフェテリアに行くと、コーヒーを飲みながら住谷が近況を聞かせてくれた。
「キュリアスの新社屋、無事に引っ越し作業も終わって機能し始めたらしいよ。今の所セキュリティシステムも順調で、2千人いる社員もスムーズにIDカードを使いこなせているらしい。あ、もちろん社長もね」
「そうなんですね!良かったー」
「ああ。それで来週の金曜日、新社屋にマスコミを呼んで完成記念式典をやったあと、夜にホテルで盛大なパーティーも開かれるらしい。真里亜ちゃん、都合はつきそう?」
は?と真里亜は真顔で聞き返す。
「私の都合?それは、どういう…」
「記念式典は、スペースの関係でマスコミしか呼べないけど、夜のパーティーは来賓を多く招くみたいなんだ。うちにもその招待状が届いてる。副社長と、真里亜ちゃん宛に」
「はい?私宛に?」
住谷は頷くと、ジャケットの内ポケットから光沢のある白い封筒を取り出した。
「これが招待状。ほら、阿部 真里亜様って書いてある」
「ホントだ。でも、どうして私が?」
「それは、間違いなくキュリアスの社長に直々に招かれたんだと思うよ」
「ああ、なるほど」
最終説明会の時、セキュリティシステムに妙にご機嫌だった社長の顔を思い出す。
「どうかな?真里亜ちゃんには是非行ってもらいたいんだけど」
「分かりました。特に予定もないですし、伺います」
「良かった!ありがとう。じゃあ、来週金曜日の16時にエントランスで待ってるね」
「はい。よろしくお願いします」
そして当日、真里亜は16時に住谷の車で以前と同じブティックに向かった。
すっかり季節は秋へと移り変わり、真里亜はますますキュリアスの仕事に没頭した夏の出来事を忘れかけていた。
そんなある日。
仕事が一段落した真里亜は、コーヒーでも飲もうと部屋を出たところで声をかけられた。
「真里亜ちゃん」
「住谷さん!お疲れ様です」
「お疲れ様。ちょっといいかな?」
「はい」
二人でカフェテリアに行くと、コーヒーを飲みながら住谷が近況を聞かせてくれた。
「キュリアスの新社屋、無事に引っ越し作業も終わって機能し始めたらしいよ。今の所セキュリティシステムも順調で、2千人いる社員もスムーズにIDカードを使いこなせているらしい。あ、もちろん社長もね」
「そうなんですね!良かったー」
「ああ。それで来週の金曜日、新社屋にマスコミを呼んで完成記念式典をやったあと、夜にホテルで盛大なパーティーも開かれるらしい。真里亜ちゃん、都合はつきそう?」
は?と真里亜は真顔で聞き返す。
「私の都合?それは、どういう…」
「記念式典は、スペースの関係でマスコミしか呼べないけど、夜のパーティーは来賓を多く招くみたいなんだ。うちにもその招待状が届いてる。副社長と、真里亜ちゃん宛に」
「はい?私宛に?」
住谷は頷くと、ジャケットの内ポケットから光沢のある白い封筒を取り出した。
「これが招待状。ほら、阿部 真里亜様って書いてある」
「ホントだ。でも、どうして私が?」
「それは、間違いなくキュリアスの社長に直々に招かれたんだと思うよ」
「ああ、なるほど」
最終説明会の時、セキュリティシステムに妙にご機嫌だった社長の顔を思い出す。
「どうかな?真里亜ちゃんには是非行ってもらいたいんだけど」
「分かりました。特に予定もないですし、伺います」
「良かった!ありがとう。じゃあ、来週金曜日の16時にエントランスで待ってるね」
「はい。よろしくお願いします」
そして当日、真里亜は16時に住谷の車で以前と同じブティックに向かった。