恋は秘密のその先に
「とっても素敵でしたね!」
真里亜も惜しみない拍手を送りながら文哉に話しかける。
「ああ。この映像のクオリティからすると、おそらく映通に委託したんだろう」
「ええ?!あの有名な映通にですか?」
「ほら、一番前の左端のテーブル。あそこにいるのがおそらく映通さんだ」
文哉の視線を追って前方を見ると、いかにもやり手といった男性が5人、満足そうに頷きながら互いに声をかけ合っている。
おそらく仕上がり具合に満足しているのだろう。
「副社長。さっきみたいな映像を映通さんに頼んだら、いくら位かかるんですか?」
「んー、そうだな。あの尺だと、1千万かな」
いっ…?!と、真里亜は驚きの余り言葉を失う。
凡人には想像もつかない程の大金が、ビジネスの世界では日々動いているのだろう。
(副社長も、そんな大金を動かす人物の一人なのよね)
心の中で感心していると、キュリアス ジャパンの社長のスピーチが始まった。
(わあ、こうして見ると威厳があるなあ)
ライトに照らされたステージに悠々と現れ、広い会場をゆっくりと見渡してからマイクで話し始める。
「えー、皆様。本日はキュリアス ジャパンの新社屋完成記念パーティーにお越しいただき、誠にありがとうございます。おかげ様でこれまで順調に成長を続けて参りました弊社も、いよいよ次世代に向けて大きく動き出します。その第一歩として、新しい社屋を都内の一等地に建設することが出来ました。この場をお借りしてお礼を申し上げると共に、ご協力頂いた企業の皆様をご紹介します。まずは、素晴らしいデザインを考えてくださった空間デザイナーの日向さん」
促されて、前方のテーブルから男性が一人立ち上がってお辞儀をする。
「続いて大きな建物を一から建設してくださった、加山建設の皆様」
今度は2つのテーブルから10人程が立ち上がった。
「先程ご覧いただいた、新社屋紹介映像を作ってくださった映通の皆様」
やはり文哉が思った通りの5人組が立ち上がる。
1千万かあ…と、またもや値段を思い出しながら、真里亜も拍手を送っていた。
「そして、このビルと社員の安全を守る素晴らしいセキュリティシステムを開発してくださった、AMAGIコーポレーションの皆様」
完全に油断していた真里亜と文哉は、え…と固まった後、慌てて立ち上がった。
「今やどのビジネスにもコンピュータテクノロジーは不可欠。皆様、大事な情報や機密事項を守るのも、AMAGIさんにお願いすれば安心ですよ」
社長のまさかの有り難い紹介に、真里亜と文哉は深々と頭を下げた。
真里亜も惜しみない拍手を送りながら文哉に話しかける。
「ああ。この映像のクオリティからすると、おそらく映通に委託したんだろう」
「ええ?!あの有名な映通にですか?」
「ほら、一番前の左端のテーブル。あそこにいるのがおそらく映通さんだ」
文哉の視線を追って前方を見ると、いかにもやり手といった男性が5人、満足そうに頷きながら互いに声をかけ合っている。
おそらく仕上がり具合に満足しているのだろう。
「副社長。さっきみたいな映像を映通さんに頼んだら、いくら位かかるんですか?」
「んー、そうだな。あの尺だと、1千万かな」
いっ…?!と、真里亜は驚きの余り言葉を失う。
凡人には想像もつかない程の大金が、ビジネスの世界では日々動いているのだろう。
(副社長も、そんな大金を動かす人物の一人なのよね)
心の中で感心していると、キュリアス ジャパンの社長のスピーチが始まった。
(わあ、こうして見ると威厳があるなあ)
ライトに照らされたステージに悠々と現れ、広い会場をゆっくりと見渡してからマイクで話し始める。
「えー、皆様。本日はキュリアス ジャパンの新社屋完成記念パーティーにお越しいただき、誠にありがとうございます。おかげ様でこれまで順調に成長を続けて参りました弊社も、いよいよ次世代に向けて大きく動き出します。その第一歩として、新しい社屋を都内の一等地に建設することが出来ました。この場をお借りしてお礼を申し上げると共に、ご協力頂いた企業の皆様をご紹介します。まずは、素晴らしいデザインを考えてくださった空間デザイナーの日向さん」
促されて、前方のテーブルから男性が一人立ち上がってお辞儀をする。
「続いて大きな建物を一から建設してくださった、加山建設の皆様」
今度は2つのテーブルから10人程が立ち上がった。
「先程ご覧いただいた、新社屋紹介映像を作ってくださった映通の皆様」
やはり文哉が思った通りの5人組が立ち上がる。
1千万かあ…と、またもや値段を思い出しながら、真里亜も拍手を送っていた。
「そして、このビルと社員の安全を守る素晴らしいセキュリティシステムを開発してくださった、AMAGIコーポレーションの皆様」
完全に油断していた真里亜と文哉は、え…と固まった後、慌てて立ち上がった。
「今やどのビジネスにもコンピュータテクノロジーは不可欠。皆様、大事な情報や機密事項を守るのも、AMAGIさんにお願いすれば安心ですよ」
社長のまさかの有り難い紹介に、真里亜と文哉は深々と頭を下げた。