不器用な神野くんの一途な溺愛
「亀井さんだよ。俺が見るに、とても仲のいい友達って感じじゃなかったよ?

特に莉子ちゃんの顔。やばかった」

「や、やば……っ!?」

「うん、幽霊かってくらい青い顔してた」

「ゆ……れ……」


す、好きな人に「幽霊」と言われる私って……。

ショックを受けつつも「亀井さんは何か勘違いをしているらしい」と希春先輩に伝えた。


「勘違い? あー、俺と莉子ちゃんが付き合ってるとか?」

「 (いやいや、全くそのようなことは!) 」


頭をブンブン振って否定する。

すると希春先輩は「じゃあ」と言って、少しだけ考える仕草をした。


「莉子ちゃんと弟の斗真との、ラブな噂?」

「ら……!?」


今度は手と頭を同時に振って、「絶対違う」ことを主張する。

神野くんとのラブって、何だかすごい言葉の威力……。
< 106 / 425 >

この作品をシェア

pagetop