不器用な神野くんの一途な溺愛
「じょ、ず……で、すね」

「昔から斗真の世話係だったからね〜。アイツの体に何枚の絆創膏を貼ったか」

「ふ、ふふ」

「その名残かなぁ。今も可愛い絆創膏を見ると、つい買っちゃうんだ。斗真には怒られるけどね。“ もういらねーだろ、こんなの”ってね」

「あ〜……」


神野くんなら言いそうだなって、そう思った。

さっきまで一緒だったせいか、自然に神野くんの声で再現される。


「はい、これ! もう1枚あげるから、明日も貼るんだよ」

「え……」

「目立たない透明タイプ〜ネコのイラスト付き。余ってるんだ、貰ってやってくれる?」


申し訳なさそうに笑う先輩が、なんだか可愛くて「はい」と返事をして貰う。

宝物にしようかなと思ったけど、明日も先輩とバッタリ会うかもしれないし……

これを貼ってたら先輩喜びそうだから、貼って学校に行こうかな……っ。


「よかった、笑った」

「え……」


隣に座った希春先輩が、いきなりそう言った。

そして「心配してたんだ」と、私の頭を撫でる。
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