不器用な神野くんの一途な溺愛
次の日――
私はいつも通り登校した。亀井さんのことは気になるけど、でも、いつも通り避けてかわしてみよう。
ただ、いつもと違うところが一つだけ。
それは、頬の絆創膏。
「 (ね、ネコちゃん……) 」
クリアだから目立たないと思っていたけど、遠目から見ると、ネコのイラストだけが頬に貼りついてるように見える。
大きさは小さめだけど、見る人が見たら「?」てなるに決まってる。
あ、でも……
私を見る人はいないから、大丈夫だよね?
安心して教室の中に入り、いつも通り授業を受ける。
案の定、誰も私を見ないし気にしない。昨日あんなことがあった亀井さんでさえ、私の事を視界に入れなかった。
「 (ね、ほら。大丈夫) 」
そう安心したのが放課後。
そして、
「おい、なんだそのふざけたネコ」
そう尋問を受けているのが、資料室にいる今……。
さすがマンツーマンの対面で座っていると、神野くんも嫌でも気になるらしい。
私の顔を見るやいなや「お前さ」と喧嘩のごとくふっかけてきた。